千葉県船橋市にあるUR都市機構の「行田団地」に福島県から避難してきた34世帯の代表者などが6日、国土交通省に無料入居期間の期限延長を要請した。新年度に間に合うよう転居してきた子育て世帯は、9月末に期限を迎える。
国土交通省を訪れたのは被災者代表3人と災害支援ボランティア「がんばっぺ」の内藤由美子氏。それに船橋市議の朝倉幹晴(みきはる)氏も加わった。
参加者の1人、鈴木直美さんの自宅は福島第一原発から9km離れた福島県富岡町にある。夫の職場も被災した。「20年の住宅ローンが残っている。加えて団地家賃が発生すれば、また転居を考えなくては」と窮状を訴える。
鈴木さんが要請行動に参加した最大の理由は、中学2年と小学5年の息子を考えてのこと。「新しい環境になじもうと頑張っているから、ここにいたい」。被災した子供の心に、これ以上のストレスを与えたくないというのが、母親たちの本音だ。
話し合いの席上、対応した国土交通省の担当者は、「期限が切れても急に家賃を課したり、追い出すことはしない」と説明。しかし延長は確約できないとして、具体的な発言は避けた。被災者と支援者らは、7月下旬までに方向性だけでも文書で出すよう求めた。(オルタナ編集部=瀬戸内千代)