政府は11日、全国の原子力発電所を対象にした安全性の新基準に関する「政府統一見解」を決定した。新しい安全評価は、1.定期検査で停止中の原発の運転再開を判断する1次評価、2.運転中の原発の継続・中止を判断する総合的な2次評価――の2段階で行う。ただし具体的な検査項目は今後、内閣府の原子力安全委員会が決めるとしており、一時停止中の原発の運転再開の時期は不透明のままだ。
2次評価では欧州諸国が導入したストレステスト(耐性検査)を参考に、従来の安全基準より厳しい基準で総合的に可否を判断するとした。同テストの実施では菅直人首相主導で突如決まり閣内不一致が批判された。政府内の意思を確認するために今回、関係閣僚が統一見解を連名で出した。
再稼働の検査はこれまで経済産業省原子力安全・保安院が行ってきたが、菅首相は内閣府の原子力安全委員会も関与するよう指示。その確認作業は、1.安全委員会も関与して保安院が評価項目・評価実施計画を作成、2.電力事業者が安全評価を実施、3.その結果を保安院と安全委員会がダブルチェック、という手順で行う。(オルタナ編集部=石井孝明)7月13日
■官房長官記者会見 原子力発電所に対する新たな安全評価の導入について(7月11日)
http://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/201107/11_a.html