高木義明文部科学大臣が15日午前の閣議後会見で、高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)について「廃止や継続を含めて議論しなければならない」と発言したことが波紋を呼んでいる。
文部科学省は同日昼過ぎにコメントを発表。「全体的なエネルギー政策の中でもんじゅについても議論がおのずと出てくるとの考え」と釈明した。また、福井県の西川一誠知事は同日、高木文科相に電話で「もんじゅの開発中止ともとれる発言は問題だ」と抗議したことを明かした。
もんじゅは日本の核燃料サイクルを実現するうえでの要となる施設だが、1991年の運転開始以降たびたび大きなトラブルに見舞われ、巨額の国費を投じながらも技術開発は遅れに遅れている。また東京電力福島第一原発事故を受けて、菅直人首相は13日に「脱原発依存」を表明しており、もんじゅの今後はさらに不透明な情勢だ。(オルタナ編集部=斉藤円華)2011年7月15日