東日本大震災と東京電力福島第一原発事故で大きな被害を受けている福島県はこのほど、「復興ビジョン」の素案を策定した。復興の基本理念として原発立地自治体では初めて脱原発を掲げており、自然エネルギーの積極導入を踏まえた地域の再建をめざす。
同ビジョンでは「自然環境の美しさが高く評価されていた本県の名前が、深刻な事故を起こした原子力発電所の所在する場所“FUKUSHIMA”として世界的に知られるところとなってしまった」と前置きし、「原子力に依存しない、安全・安心で持続的に発展可能な社会づくり」など3つの基本理念を明記した。
特にエネルギーに関しては、従来の一極集中型のエネルギー政策の見直しが必要だとした上で、地域でのエネルギー自立を図るほか、自然エネルギー関連産業の集積や研究開発も行うとしている。(オルタナ編集部=斉藤円華)2011年7月19日