岩手県住田町に建設された木造仮設住宅が、六本木ヒルズに登場した。森林保全団体モア・トゥリーズ(東京・渋谷)の被災地支援プロジェクト「LIFE(ライフ)311」の一環で、7月29日から31日までの3日間、木造仮設住宅が展示された。会場では、岩手県の県産野菜や地ビールも販売され、親子連れなど多くの来場者で賑わった。
モア・トゥリーズは、坂本龍一氏の呼びかけによって設立された森林保全団体である。東日本大震災後は、被災地周辺の地域産材を活用した木造仮設住宅を建設する「ライフ311」プロジェクトを開始した。
支援先の住田町は、震災の1年ほど前から、地場産の木材を活用した仮設住宅設計を構想していた。住田町は、「森林・林業 日本一」を目指し、FSC(森林管理協議会)認証を取得している。これまでに110棟が住田町に建設され、すでに約300人の入居が完了している。
木造仮設住宅は、調湿性に優れているため、結露の心配も軽減される。モア・トゥリーズによると、インフラ整備から仮設住宅建設まで、すべてのコストは1棟当たり約300万円で済むという。
木造仮設住宅展示の他にも、会場では地場県産の野菜のマルシェや食堂が開かれた。岩手の地ビール、地鶏の焼き鳥、トマトやきゅうり、ズッキーニなどが販売され、多くの親子連れで賑わった。これらの売上の一部は「ライフ311」に寄付される。(オルタナ編集部=吉田広子)