国の組織である原子力安全委員会(鈴木篤之委員長)は4月9日、「2009年版原子力安全白書」を公表した。政府が地球温暖化対策で原発の積極的な推進を打ち出す中で、設備利用率の向上など新たな課題への対応が重要だとする。
利用率とは稼働状況のことで、国内の平均で70%以上とされる。「国内原発の利用率が1%向上すると約300万トンの二酸化炭素排出抑制効果があるとも言われる」として、米国などに比べて低い日本の利用率には改善の余地があると指摘している。
白書は1999年の東海村臨界事故から10年の節目を迎えた原子力の課題を「10年」というテーマでまとめ、安全性の強調を訴えた。
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