大規模地震が東京圏で発生した際にその影響を最小限に抑えるため、政府は首都機能分散を進める方針を打ち出した。
首都圏に政治経済機能が集中する日本では、東京、埼玉、千葉、神奈川の一都3県に全人口の約28%が集まり、この地域の名目GDPは全体の32%に上る。大地震が起きたときに、これらの地域と同時に被災する可能性の低い他地域と分担関係を築くことで、リスク分散を進める。
日本列島は4つのプレート上にあるが、「位置関係を踏まえると、東日本と西日本で同時に地震が発生する可能性は低い」(国土交通省)ことから、東日本と西日本、日本海側と太平洋側、もしくは各プレートごとにバックアップ体制を作る。
国土交通省が6月から審議を重ねてきた「防災国土づくり委員会」は先月提言をまとめ、そのなかで「大規模地震等の巨大災害が発生した際の国土全体での活動持続の確保は、すぐにでも対応しなければならない喫緊の課題。先行的に具体化に向けた検討を急ぐべき」とし、首都機能のバックアップ体制構築を早急に進める必要性を指摘している。(形山 昌由)