10万円未満で購入できる低価格の放射線の測定器について、消費者の苦情・問い合わせを受け付ける公的機関の国民生活センターは8日、調査結果を公表した。それによると自然放射線を照射するテストを行った9種類すべてで正確な測定ができなかった。またセシウム137由来のガンマ線の測定試験で、ばらつき、誤差が大きく、正確な測定ができなかったという。
同センターは、一部の製品では食品・飲料水等が暫定規制値以下かどうかの測定はできないので、こうした目的で購入・使用することは避ける、環境中の放射線を測定する場合、公表されているデータなどを参考にし、測定器の示す値を直ちに信頼することは避けることを消費者向けに呼びかけた。
センターは3万~6万円台の9種類の機器を調査。4種類はネット上の広告で「高感度」といった正確な測定ができると誤解させる表示などがあり、景品表示法違反の可能性もあるとみて、消費者庁に指導を要望した。
センターには7月末までに測定器に関する相談が391件寄せられた。そのうち122件が「測定値が2種類しか出ない」といった性能に関する相談だった。(オルタナ編集部=石井孝明)