放射線被曝に対して毅然と行動する科学者の集団を目指す「こどもたちを放射能から守る科学者ネットワーク」が、震災から半年後の11日に発足した。事務局をfacebook上に置き、他分野の研究者らの参加を呼び掛ける。
世話人は慶應大大学院政策・メディア研究科特任講師の斉藤賢爾さんと東京工業大大学院理工学研究科准教授の調(しらべ)麻佐志さん。
斉藤さんによれば、7月に「子どもを放射能から守る全国ネットワーク」のキックオフミーティングに参加した際、母親たちが参考にしている放射能関係の研究に疑わしいものがあるのを見つけ、「過去の研究調査が公正かどうかをアドバイスできる団体が必要だ」と思い立った。
facebook上で調さんと議論を重ね、「科学者はとかく真偽についてこだわり、曖昧にしか分からないことは判断を留保しがち。しかし東大の児玉龍彦教授も指摘しているように、20 年後に正しいことが分かったとしても、いま現在の問題を解決し、起こり得る重大な問題を未然に防げなければ意味がない。従来の科学者のこうした姿勢を脱却し、未来を担うこどもたちのため、実際に行動を起こす科学者たちのネットワークをつくる」という旨の設立趣意書を書き上げた。
15日現在、科学技術史やコンピューターの専門家ら12人が参加を表明。放射線や医療、疫学の専門家らにも声を掛け、実際の放射線測定と除染、避難や疎開にかかわる提言や援助などを進めていく。
斉藤さんは「科学者の研究をメタな視点で評価することを専門とする科学者が参加しているのが重要。放射線がこどもの身体に及ぼす影響については専門的な研究がすでに数多くなされているが、その正当性を確かめていくという作業をしたうえで、数カ月以内には実際に役に立つ現場での活動をしていきたい」と意気込む。
facebook上に事務局を置くのは「議論や広報・広聴の面で、現状ではfacebook が最もコストをかけずに十分な機能を得ることができる」から。「科学の心をもって、こどもたちのために働くことを誓う」以外に参加資格は問わないという。(オルタナ編集委員=関口威人)
「こどもたちを放射能から守る科学者ネットワーク」のfacebookページ =http://www.facebook.com/ScientistsForChildren