スマートフォンのGPS機能を利用して、彼女がパソコンから彼氏の行動や通話履歴を追跡できるアプリ「カレログ」が波紋を呼んでいる。人権団体などから抗議を受けた開発元では、通話履歴が分かる機能などを省いた改良バージョンを出したが、来月にも発売する新サービスの「俺ログ」では、改良前のカレログと同様の使い方が出来てしまう恐れもあるなど、抜け穴もある。
運営会社のマニュスクリプトによると、カレログは「浮気チェックアプリ」として8月末にサービスを始めた。アンドロイド搭載のスマートフォンにアプリをインストールし、インターネット上の専用ページで登録IDなどを入力すると、端末所持者の位置情報、通話履歴、電池残量などが分かる。利用は今月末まで無料だ。
本来はスマートフォン所有者の同意が必要だが、目を離したすきに無断でインストールもできてしまう。プライバシーの侵害ではないかとする批判を受けた同社では今月に入って改良型を出し、スマートフォンとパソコンへ同時にお知らせメールが行くなどの対策をとった。
しかし、「俺ログ」は、スマートフォン所持者から恋人や家族に向けて自分の行動を教えるという位置づけのため、カレログのような対策は盛り込まれず、「通話記録の追跡機能も検討中」(同社)という。
今月初旬にカレログのことが新聞やテレビで報道されると一気に注目が集まり、現在まで約2万件のダウンロードがあったという。批判も多いことから、同社では来週、総務省に意見を求めに行く予定だ。
マニュスクリプトの担当者はオルタナの取材に対し、「技術自体に罪はなく、アプリ開発の可能性を閉じないためにも、使用に際してはスマートフォン所有者の許可を必ず得てほしい」と話している。(形山 昌由)
カレログ http://karelog.jp/