東京電力が福島第一・第二原発事故の個人被害者に向けて送付している補償金請求書類について「記入が煩雑だ」などと指摘されている問題で、日本弁護士連合会は16日、請求方法を被害者本位に改めることなどを要望する会長声明を発表した。
声明では、請求書式の分量が60ページに及び「記入に多大な時間、労力及び注意力を要する非常に煩雑な様式」と指摘。また「居住していた建物などの価値の目減りを補償できる書式ではない」などと是正を求めたほか、「賠償額に不満があるときは安易に合意書に署名せず、原子力損害賠償紛争解決センターへの申立てや裁判所への訴訟の提起など他の手段も検討」するよう、被害者に注意を促した。
東京電力広報部は「煩雑な書式となったことは申し訳ないが、事故による被害を全て網羅するためで、全て目を通してほしい」と話し、コールセンターや説明会を通じて被害者の請求を支援する考えを示した。また建物等の財産の補償については「事故の収束を見ながら請求項目を検討したい」と答えた。(オルタナ編集部=斉藤円華)2011年9月20日