26日、WHO(世界保健機関、スイス・ジュネーブ)は、91か国約1100都市の屋内外の大気汚染データの比較調査結果を発表し、毎年200万人以上が、粒子状空気汚染物質が原因で死亡していると警鐘した。
空気中の浮遊粒子状物質はPM10という単位で表され、PM10は長さ10マイクロメートル以下の粒子を指す。1マイクロメートルは1000分の1ミリと非常に短く、PM10は肺を透過して血液にも浸透する可能性があり、心臓病や肺ガン、喘息を引き起こす要因にもなり得る。
「WHOの空気質ガイドライン」では、PM10年間平均を1立方メートルあたり最大20マイクログラム (20μg/m3)と定めているが、調査ではインド、パキスタン、イランなどで200マイクログラム(200μg/m3)を超す都市も見られた。
東京では23マイクログラム、大阪では27マイクログラムで同ガイドラインを上回っている。ほかの主要都市は。ニューヨークは21 (以下単位省略)、ロサンゼルスは25、ベルリンは26、ロンドンは29、パリは38、ローマは35、上海は81だった。(チューリヒ 岩澤里美)
WHO大気汚染調査プレスリリース
http://www.who.int/mediacentre/news/releases/2011/air_pollution_20110926/en/