人類学者の中沢新一さんが脱原発を掲げて「緑の党」旗揚げの意向を内外に表明していることに対し、同名の政党設立を目指す全国ネットワーク「みどりの未来・運営委員会」は13日、「両者は競合関係ではなく友好協力関係」とすることで合意したとホームページ上で発表した。
「みどりの未来」は欧米の緑の党の動きに触発された地方議員らによって2008年11月に発足。世界各国のネットワークと連携し、日本の国政での緑の党結党を目指して活動してきた。
一方、中沢さんは震災後の今年4月、Ustreamで中継された内田樹、平川克美両氏との鼎談の中で緑の党結党の決意を表明。今月3日には東京新聞・中日新聞が1面で「中沢新一氏が来月にも『緑の党』立ち上げへ」と報じたことから、 みどりの未来側に「どういう関係なのか」と問い合わせが殺到したほか、ネット上でも疑問を呈する声が広がった。
発表によれば、新聞報道後に中沢さんと話し合いの場がもたれ、「脱原発を実現するためにはさらに大きな政治的パワーが必要であり、今後両者が友好協力関係を築いていく」ことが確認された。
同時に中沢さんは「11月にも立ち上げる団体は『緑の党』という名称ではない」「国政選挙など選挙にかかわる意向はない」とも述べたという。(オルタナ編集委員=関口威人)