東京電力は2日、メルトダウンを起こして冷却中の福島第一原発2号機からキセノンが検出されたと発表した。キセノンはウランが核分裂したときに発生する物質で、格納容器内で再臨界が起きたのは間違いないとみられる。
検出されたのはキセノン133と同135で、格納容器内の空気にごく微量が含まれていた。細野豪志原発事故担当相は2日に「データは安定しており、臨界はないと考えている」と語ったが、小規模とはいえ再臨界が発生した可能性は濃厚で、発言が覆された形だ。
東京電力は同1、3号機でも再臨界があったかどうか調査を急ぐとしている。ただし現時点ではメルトダウンした炉内が実際にどうなっているのかを直接確認する手立てはなく、炉内状況把握が不可欠とされる冷温停止状態の達成は遠のいたとする見方が有力だ。(オルタナ編集部=斉藤円華)2011年11月3日