この11月19日~21日、日本環境教育フォーラムが山梨県のKEEP協会で開いた「清里ミーティング」に参加してきました。 今年が25回目で、全国のNPO/NGO、環境保護団体、環境・CSR活動で先進的な企業の担当者が集まる、とても中身が濃いセミナーの3日間でした。
そこでたまたまお会いした、加藤大吾さん(38)のお話を聞くと、これまでの常識を見事に吹っ飛ばしてくれる暮らし方であることが分かったのです。
興味をもったきっかけは「1カ月の電気代が1500円」との一言。僕は、「ああ、独身で節電すれば、なんとか達成できる数字かな」と思いました。
ところが、さらに聞いてみると、夫婦に子どもが3人、つまり5人家族ではありませんか。そしてガス代も月に1000円とのこと。
加藤さんが住んでいるのは山梨県都留市。市の外れに660坪の山林を買い、平らな所に自分で家を建てました。 家は50平米ほどで、20畳のリビングに、ロフトが付いているそうです。
照明は10Wほどの蛍光管の電球が5つだけ。消費電力が少ないのは、テレビとエアコンが無いことも大きいとのこと。 ガス代が安いのは、プロパンのボンベを持ってきてもらうのではなく、自分で充てんに持っていくから。その費用が1回2000円。これで2カ月は持つので、ひと月当たりでは1000円です。
10才、5才、2才の子どもたちは、いつもリビングで暮らし、家族はいつも一緒です。テレビもテレビゲームもなく、絵本を読んだり、古い鍋や皿の上で、土や草花を材料にしておままごとをしたり。子どもたちには積極的にナイフを持たせ、自分で木を削らせたりします。
田んぼでコメを作り、庭で野菜を育て、カモやニワトリなどの動物も飼っています。肉や卵は、スーパーで買ってくる必要はありません。
夏には家じゅうのドアや窓を一日中開け放し、森の風を家じゅうに取り込むそうです。 いつもはあまりお金を使わないので、年に一度は、家族全員でリゾートで休暇を過ごすとのこと。
加藤さんは、NPO法人都留環境フォーラムの代表理事として環境教育や、コンサルティングをしています。都留文科大学で非常勤講師でもあります。
最近、『地球に暮らそう~生態系の中に生きるという選択肢~』 という本を出版されました。(旅と冒険社、1050円)是非、書店で手に取ってみられたらいかがでしょうか。(オルタナ編集長 森 摂)