政府のエネルギー・環境会議のコスト等検証委員会は13日に会議を行い、各電源別の発電コストの試算結果を発表した。従来は1キロワット時あたり5.9円とされてきた原子力発電は、原子力事業者が連帯して負担する事故リスクへの対応費用を組み入れたことなどで5割以上上昇し、最低でも同8.9円と算定。火力発電並みとの見方を示した。
原子力発電は他の電源と比較して安価とされてきたが、従来の試算が事故コストなどを切り捨て、仮定を重ねた上での結果だったことが今回の試算で裏付けられた形だ。ただし今回の試算には大規模な除染や損害賠償などの費用は含まれていない。
委員の1人で会議に参加した立命館大学の大島堅一教授は同日、今回の試算についてツイッターで「社会的費用を考慮しようという観点から原発のコストに踏み込んだもので、以前と比べて格段に良くなった」との考えを示した。(オルタナ編集部=斉藤円華)2011年12月13日