鳩山由紀元首相と衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会委員の平智之議員(両氏とも民主党)は連名で、東京電力福島第一原発事故の真相を究明するには福島第一原発を国有化しなければならないとする論評を、15日付の英科学誌ネイチャーに寄稿した。同論評は英文だが、平議員が編集した訳文が同誌の日本語版サイトに掲載されている。
論評では、事故について再臨界の可能性」「核爆発の可能性」「メルトダウンの可能性」を検討。その中で、3月14日に起きた同原発3号機の爆発は、ウランより重い元素が周辺から検出され、しかも建屋の鉄骨が高温で溶けてねじ曲がったと観察されることを踏まえて「核爆発がもっともらしいと思われる」と指摘する。
その上で同論評は、事故に関する情報を東京電力から収集するには福島第一原発の国有化が不可避であり、事故の収束には「原子力産業界の技術者の一部にみられる致命的な楽観論を打ち破る」ための特別な科学評議会が必要だとしている。(オルタナ編集部=斉藤円華)2011年12月15日