「韓国の人気アイドルグループJYJが出演する」と日本経済新聞の広告で告知された「東日本大震災1周年・チャリテイパーティ」について、JYJのマネージメント会社「C-JeSエンターテインメント」(本社・韓国)は1月4日、「この件は当社との協議なく一方的に進行されたもので、JYJの出演はない」との声明を発表した。
JYJは、韓国の人気グループ「東方神起」の5人のうちの3人、キム・ジェジュン、パク・ユチョン、キム・ジュンスが2009年に脱退してつくったグループ。韓国や日本だけでなく海外で広く人気がある。
イベントの主催者は「アースプロジェクト絆・実行委員会」で、「2012年3月21日にJYJが出演するチャリティパーティを開催する」と、2011年12月22日付の日本経済新聞夕刊に広告を出した。
広告によると、イベントは円卓VIP席10万円、円卓S席5万円、立食が3万円と、パーティはかなりの高額だ。すでに代金の振り込みも受け付けており、すでに少なくないファンが代金を振り込んでいると見られる。
しかし1月4日、パーティの目玉であるJYJが出演しないことが急きょ明らかになり、ファンの間からはイベント主催者に対して「詐欺だ」「許せない」との声が相次いでいる。
新聞広告は、1)「制作:東京国際音楽祭事務局」という実態がない団体が記載されている 2)開催場所とされる「東京都内のホテル」の名前も明らかにされていない 3)問い合わせ先が個人のメールアドレス(ニフティ) ――など、「怪しい」記述が数多く見られ、広告掲載当初からファンの間で疑問の声が上がっていた。
しかも、主催者である「アースプロジェクト絆・実行委員会」のホームページ(http://earthconcert-kizuna.com)は年末から閉鎖されており、問い合わせ電話番号に掛けても、誰も出ない状況だ。
アースプロジェクト絆・実行委員会に当初から詐欺まがいの意図があったのか、それとも、同委員会と、JYJのマネージメント会社の出演交渉がまとまらなかったためなのかは不明だ。
しかし、すでに代金を振り込んだ客が刑事告発をすれば、刑事事件に発展する可能性も否定できないなど、同パーティを巡る混乱は続きそうだ。
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JYJのマネージメント会社である「C-JeS エンターテインメント」は1月4日、同社ウェブサイトで下記のコメントを発表した。
「先日日本経済新聞にアースプロジェクト絆・実行委員会で主催される「東日本大震災1周年・チャリテイーパーティー」にJYJが出席するという内容の広告が掲載されました。C-JeS エンターテインメントは、上記記事の内容に関連した該当業者といかなる出演契約も締結したことはなく、記事内容は当社との協議なく一方的に進行された内容です。また、本件について当社は該当業者に広告が掲載された同一媒体を通じ、誤報についての内容の訂正を要求しましたが、掲載するとしました日にちまでに訂正記事が出なかった関係でこのようなお知らせをあげることになった点、ご了承くださいませ。JYJは「東日本大震災1周年・チャリテイーパーティー」に出席しませんので、この件に伴うファンの皆様の被害がないよう、ご注意願います」