電力制度改革で「発送電分離」が論点に浮上した。これまでの電気事業法では日本に10ある電力会社に発送電事業の地域独占が認められてきた。
これに対して枝野幸男経済産業大臣は昨年12月27日、年明けからの電力制度改革の論点を関係閣僚会議に提出し、そこで発送電分離を検討する方針を公表した。
枝野氏の構想では1・競争的で開かれた電力市場にするため、電力会社から送配電部門を切り離す「発送電分離」などを有識者により検討、2・具体的には電力会社を持ち株会社の下に発電と送電を別会社で置く「法的分離」などの案で議論、3・2013年の通常国会での電気事業法改正案の提出を目指す、などが盛り込まれた。
枝野幸男経済産業相は12月末、東電の西沢俊夫社長に「一時的な公的管理を含め、あらゆる可能性を排除しないで、(来春にまとめる)総合特別事業計画を検討してほしい」と伝え、同社に事実上の国有化を受けいれるよう求めた。
それに伴い電力業界全体の改革にも取り組む。政府は有識者で構成する専門委員会を13年初頭に設置し、具体化に向けた議論を本格化させる。(オルタナ編集部=石井孝明)