韓国の人気アイドルグループJYJが出演すると偽って、アースプロジェクト絆・事務局が高額のパーティ券を販売した問題で、同事務局は1月7日、「JYJのマネージメント会社からの了承を得ずにイベント告知した」とことを認める「お詫び広告」を新聞に掲載した。
このイベントは「東日本大震災1周年・チャリティ・パーティ」と銘打ち、3月21日に開催すると、2011年12月22日付け日本経済新聞の夕刊に広告を掲載した。
JYJは、韓国の人気グループ「東方神起」の5人のうちの3人、キム・ジェジュン、パク・ユチョン、キム・ジュンスが2009年に脱退してつくったグループ。韓国や日本だけでなく海外で広く人気がある。
広告によると、イベントは円卓VIP席10万円、円卓S席5万円、立食が3万円と、パーティはかなりの高額だ。すでに少なくないファンが代金を振り込んだと見られている。
もともとこのイベントは、国連との関係性が極めて疑わしい「(国連)南南広報センター」や、実態が把握できない「東京国際音楽祭事務局」の名前が新聞広告に記載されたり、開催予定のホテル名も明かされないなど不自然なことが多く、新聞での告知当初から、ファンの間では不安の声が広がっていた。
1月7日に日本経済新聞に掲載したお詫び広告では「お申し込みを頂いた方にはキャンセル手続きをする」としているものの、ホームページは依然として閉鎖されたままで、問い合わせ電話番号の記載もなく、本当に返金されるのか、疑問の声が上がっている。
そもそも、善意に支えられる震災復興のイベントで、このような混乱が発生すること自体が、あってはならないことだ。
JYJはチャリティ活動に積極的なグループであるとされ、今回の問題をきっかけに、今後、同グループの日本での活動に悪影響が出ないかも懸念される。イベントに期待していたファンも完全に裏切られた形だ。
そして、このような詐欺まがいのイベントが起きることで、まもなく1年を迎える東日本大震災関連の、さまざまな復興支援イベントに心理的な悪影響が出ることが懸念される。そうならないことを望みたい。(オルタナ編集長 森 摂)