今年夏に予定される国のエネルギー基本計画の策定を前に、エネルギー政策に女性の視点を反映させるための議論の場として、「女性の視点からエネルギーを考える〜エネ女の集い」が31日、東京都内で開かれた。
全国各地から約100人の女性が集まり、ワークショップなどを通じて日本のエネルギー政策の将来像について話し合った。
委員会の女性割合は6分の1
政府は現在、2030年までの日本のエネルギーのあり方を規定するエネルギー基本計画について、今夏の策定を目指して資源エネルギー庁の基本問題委員会で議論を進めている。
同委員会には25人の委員がいるが、女性の委員はわずか4人。世代も偏っており、女性や若者の声が届きにくい構成になっている。
こうした状況に危機感を抱いた同委員会の女性委員の呼びかけで、今回の集会が実現した。
この日ははじめに、女性委員の一人、幸せ経済研究所代表の枝廣淳子さんから委員会での議論の現状が報告された後、集まった女性たちが小グループに分かれて「経済成長率」「原子力発電の今後」「電源構成(原子力、火力、再生可能エネルギーなどの割合)」の3点について自らの考えをまとめた上で、グループごとに議論した。
参加者からは、現在のエネルギー基本計画が想定する2010—20年度の成長率(年率2%)について「(過大な出生率予測など)成長の根拠があいまい」「どのような産業で成長しようとするのか不明」といった意見が出たほか、電源構成に関する議論の際には「省エネで(電力消費量を)減らせる分をもっと考慮すべき」「エネルギーの選択肢を次世代に示そう」といった声が聞かれた。
エネルギー政策のより良い決め方についても議論され、「委員の公選」「地方自治体が地域特性を生かしたエネルギー計画を策定して国で集約」「政策の目標年には生存していない可能性のある世代の委員会への登用を禁止する」といった大胆な意見が出された。
この日の議論の内容は、主催者を通じて基本問題委員会と枝野経産相に伝えられる。(オルタナ副編集長・木村麻紀)