緑の党は日本で躍進できるか――まずは資金調達の壁

みどりの未来の共同代表を務める須黒奈緒さん

2月3日、国政レベルで脱原発を目指す「緑の党」の結党を発表した「みどりの未来」。共同代表を務める須黒奈緒さんにその意気込みを聞いた。(聞き手・編集部=赤坂 祥彦)

――日本の供託金は世界一高額で、新政党が登場する妨げになっているように思えます。

多くの国で、供託金制度が廃止されている中で、日本の供託金の高さは異常です。現行の制度では、お金持ちしか政治家になれません。私たちが手にしている選挙権は不完全だと思います。

「緑の党」が国政に進出した暁には、お金があってもなくても、選挙権も被選挙権も行使できる世の中にしていきたいです。

――供託金はどのように調達されるおつもりですか。

クラウドファンディングを利用します。一口1000円を10万口、計1億円を募るのが目標です。

――結党までに広く関係者にお声がけされるとのことですが、中沢新一さん(先日、新政党「緑の日本」を設立することを発表)や中村敦夫さん(「みどりの未来」の前身である「みどりの会議」の代表を務めた)には既にアプローチされたのでしょうか。

中沢さんには先日、「みどりの未来」の運営委員を通じて結党のお話をさせていただきました。互いに友好協力関係にありますが、具体的には何も決まっていません。

中村さんにも結党のお知らせはしました。ただ、既に政界から退かれているので、直接、参加していたくのは難しいと思っています。

――衆院選に向け、比例区、選挙区にそれぞれ何人の候補者を擁立されるおつもりですか。

供託金のこともありますし、現時点では、未定です。今月末に準備委員会を立ち上げ、順次、決定していきます。

――原発輸出についてはどうお考えですか。

原発輸出の推進派は、どれほど甚大な被害を国民が被ったかを理解しているとは到底、思えません。この後に及んでも目先の利益を追求する彼らは反省しているのでしょうか。

先日、核廃棄物処理について学ぶためにドイツを訪れました。国内に様々な議論はあるものの、自分たちが生み出した核廃棄物は自分たちで処理するという姿勢は一貫していました。

今後、日本が核廃棄物を処理するためには、他国からの支援も必要になるかもしれません。それなのに、原発を輸出し、外国で更に核廃棄物を生み出そうとする彼らの姿勢は不可解です。

――現状では、54基中51基の原発が定期点検で停止しています。4月までに再稼働をできなければ、日本から原発で発電された電気がなくなります。

予想される電気不足を煽るネガティブキャンペーンに対しては、毅然と立ち向かっていきます。これまでもみどりの未来のメンバーは原発のストレステストの傍聴を求めるなど、最前線で戦ってきました。デモも、これまで通り、市民団体やNGOの力を借りて行なっていきます。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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