NPO法人WEL‘S新木場の障がい者就労支援がDVDになった。東京都地域中小企業応援ファンドの助成金で実現した。
人間の尊厳をテーマとする宮崎信恵氏が監督し、ドキュメンタリー「あだちファクトリー物語」として3月15日に発売する。
就職を目指す障がい者たち(以下、利用者)が通う「あだちファクトリー」は、資源ごみを分別処理する大谷清運のリサイクルプラント(東京・足立)の中にある。
企業内で職業訓練を展開する全国でも珍しい取り組みだ。企業側はNPOに場所を提供して業務の一部を委託。
NPOは、ここで利用者と共に働いて手本を示しながら、就労ルールやマナーを指導する。2010年に開所して以来、既に2人が他企業に採用されて巣立った。
現在は12人の利用者がいる。DVDは、実際の職場で地域や社員の目にさらされながら前向きにトレーニングを受ける障がい者と、その頑張りに触れて偏見や不安から解放された企業経営者の姿を伝える。
同NPOは、民間ならではの柔軟さで企業と障がい者の橋渡しをしてきた。橋本一豊理事は「この作品が、多くの企業が一歩を踏み出すきっかけになれば」と期待を込める。(オルタナ編集部=瀬戸内千代)