チェルノブイリ原発事故の後、ベラルーシで住民の健康被害を調査してきた元ゴメリ医科大学長のユーリー・バンダジェフスキー氏が19日に都内で会見をし、この中で同氏は「突然死に至る体内のセシウム濃度は決められていない」として、東電原発事故の被災地の住民を対象とした全員の線量調査が必要だと訴えた。
同氏によれば、子どもの心拍の乱れは体重1キログラム当たり20~30ベクレルという低い放射性セシウムの蓄積量でも現れ、突然死の原因となりうるという。
また同氏は4月から厳格化される食品中の放射性物質の基準値について「私の基本的な考えでは、食品に放射性物質が含まれていること自体が危険。ベラルーシでは十数年前から同様の基準が使われているが、それにより住民は放射性物質を体内に吸収しつづけている。取り込まれた放射性物質は体内の様々なシステムに影響を与え、外部被ばくより数段危険だ」と指摘した。
同氏はさらに「1リットル当たり100ベクレル含まれる牛乳を数週間摂取すれば、体内に放射性セシウムが高濃度に蓄積される。完全にクリーンな食べ物や土地が必要で、どんな放射性物質であれ体に取り込むのは本当に良くない」と述べた。(オルタナ編集部=斉藤円華)2012年3月19日