深刻な原発事故に対応するための国際的な防災基準の導入に向けて内閣府原子力安全委員会が検討を行った際、電力10社でつくる電気事業連合会が昨年2月、「(国際基準の導入で)地域経済に地価下落や観光客減が生じたり、住民の中に国への不信感が生じたりする可能性がある」として、実質的に反対する文書を同委員会に示していたことがわかった。
27日に毎日新聞が朝刊一面で報じた。IAEA(国際原子力機関)は2002年、重大事故時の防災対策についての国際基準を策定。住民が直ちに避難する予防防護措置区域(PAZ)、避難計画などの策定が義務付けられる緊急防護措置地域(UPZ)などを定めている。
毎日新聞の報道に対して電事連は同日、ホームページに「国際基準の導入に向けて原子力安全委員会に協力したものだ」とする釈明文を掲載した。(オルタナ編集部=斉藤円華)2012年3月27日