
米国で人気の自然志向アイスクリームブランド「ベン&ジェリーズ」。ユニリーバ・ジャパンは、日本1号店を東京・表参道に14日、オープンする。このほど共同創業者のジェリー・グリーンフィールド氏が来日した。
■ 平飼いニワトリの卵、フェアトレードカカオも
ベン&ジェリーズは、1978年に米バーモント州で生まれたアイスクリームブランドだ。幼馴染でアイスクリーム好きだったベン・コーエン氏とジェリー・グリーンフィールド氏が立ち上げた。チョコレートやフルーツがゴロゴロと入った独特の食感とナチュラルな美味しさで、開店後すぐに人気の店となった。
だが、1960年代、愛と平和を訴えるヒッピー時代に育った2人は、ビジネスで利益だけを得ることに疑問を持っていた。そこで、ビジネスを通じて環境問題や社会課題を解決することはできないだろうかと考え、「ソーシャルミッション(社会的使命)」「プロダクトミッション(最高品質のアイスを製造・販売する使命)」「エコノミックミッション(経済的使命)」の3つの企業理念が生まれた。
共同創業者のグリーンフィールド氏は、「事業と切り離すのではなく、日々の業務に社会性や環境性を組み込んでいくことが大切だ。何度もトライアル&エラーがある。ソーシャルイノベーション(社会革新)は、アイスの新しいフレーバーを作り出すのと同じ」と話す。

ベン&ジェリーズの材料は、平飼いニワトリの卵、フェアトレード認定のカカオやバニラを使うなど、原料の調達にこだわっている。チャリティーイベントも盛んだ。
■ 日本でソーシャルミッションは追求できるか
日本1号店は、表参道ヒルズ(東京・渋谷)で14日にオープンする。日本では、フェアトレードの認定を受けた12種類のアイスクリームを輸入し、販売する。しかし、米国では、森林の生態系や持続性に配慮してFSC(森林管理協議会)認証の紙容器を使っているのに対して、まだ日本では導入されていない。国内での製造・販売は未定だという。
ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティングの「ベン&ジェリーズ」ブランドマネジャー・中川晋太郎氏は、「まだ認知度の低いフェアトレードの啓発や酪農家の支援など、日本でもできることがある。学生団体とコラボするなど今後の展開を考えていきたい」としている。(オルタナ編集部=吉田広子)