チェルノブイリの原発事故発生から4月26日で26年が経った。原発ゼロを目指す市民グループ「東電前アクション!」は、27日に経済産業省の正門前で「チェルノブイリ―福島キャンドルナイト」を実施。冷たい小雨が降る中、約90人が省内の職員らに向けて「再稼働をやめろ!」と声を上げた。
この集会は、26日を中心に「チェルノブイリ、福島を繰り返すな」を合言葉にして世界中で展開されたグローバルアクションの一環。同グループは、枝野幸男大臣宛ての「申し入れ書」を用意した。
申し入れ書では、核燃サイクル事業からの撤退、作業員の被ばくを防ぐ「廃炉管理委員会」の設置、「原発に頼らない街づくり」のための基金創設、消費電力量削減のためのロードマップ作成などを求めた。
全文を読み上げた後、福島の事故が収束していないのに再稼働を進めようとしている経産省に対して、福島やドイツからの参加者が抗議のスピーチを行った。「経産省前テントひろば」で4月17日から再稼働反対の集団ハンガーストライキを行っている人々も合流して、マイクを握った。
最後は、「皆さんも一緒に声を上げましょう!」という呼び掛けに応じて、一斉に「原発事故の真実を語れ!」「原発輸出をやめろ!」「未来を守ろう!」などと声を上げた。
東電前アクション!は、事故直後の2011年3月18日から東電の本社前で原発のない社会の実現を訴えてきた市民の集まり。20代前後の若いメンバーが目立つ。毎月の抗議活動には100人~400人が集まる。
同グループの森本裕次氏は「現場で作業をしている東電社員を非難する気はないが、本社勤務の社員には事故を起こした責任を、もっときちんと取ってほしい。賠償を待つ被害者を残したまま、加害者がボーナスを受け取るのは、あり得ない」と語った。
東電が27日に枝野大臣に提出した「総合特別事業計画」には、柏崎刈羽原発の再稼働が明記された。同グループの次回の抗議活動は5月12日。いつもの東電前に戻り、事業計画の撤回を求める。(オルタナ編集部=瀬戸内千代)