4月28日に城南信用金庫本店(東京都品川区)で開かれた「脱原発をめざす首長会議」設立総会の記者会見で、福島県南相馬市の桜井勝延市長は「(今も)2万5千人ほどが市内に戻れておらず、1年間インフラに全く手を付けられていない。いかに原発事故が自然災害と異なるかを多くの人に認識してほしい」と訴えた。
同会議は今年1月に横浜で開かれた「脱原発世界会議」をきっかけに設立され、35都道府県から69人の現職および元首長が会員に名を連ねる。顧問を佐藤栄佐久・前福島県知事らが務める一方、福島県内の会員で現職首長は桜井市長のみとなっている。
桜井市長はまた「南相馬市は住民サービスを維持するため市役所を移動しない判断をしたが、全町避難した広野町は帰町宣言をしても20分の1しか戻れていない」と指摘。その上で「原発被災地の報道がだんだん薄れる中で原発再稼働が大きく取り上げられる現実に、地元住民は不安を抱き、自分たちが『棄民』にされたとさえと感じている」と語った。(オルタナ編集部=斉藤円華)2012年5月1日