地球温暖化防止に役立つ技術などを展示する「2012地球温暖化防止展」(日報ビジネス主催)が25日まで東京ビッグサイトで開かれている。会場では153社が自然エネルギーや省エネなどに関する技術やサービスを紹介しており、中でも小水力発電や地中熱利用では大きなブースが設けられた。
田中水力(神奈川県座間市)は、九州工業大学と連携して開発した最大出力5キロワットの小水力発電装置を出品。7月に施行される自然エネルギーの全量買取制度を前に小水力発電に期待が高まるが、同社の小林征四郎氏は「小水力発電の普及は系統連系の手続きの簡素化がカギになる」と語る。
東京スカイツリーにも導入されて注目を集める地中熱利用技術では、暖房機器などを製造するサンポット(岩手県花巻市)が家庭向け地中熱ヒートポンプ冷暖房システムを展示。同システムは既に750台ほど販売実績がある。同社営業本部の佐藤隆次氏によれば「設置費用は約300万円で、国や自治体から最大3分の1まで補助金が出る。費用は6~7年で回収できる」という。
除染技術の出展もある。高知県旭天神町の企業「アミヨン」は、放射性セシウムを99%以上吸着する浄化剤を開発。同社の吉岡勤務(つとむ)社長は「原料は火山灰。産地などで品質にムラがあるゼオライトと異なり、安定した吸着性能を発揮する」と説明している。(オルタナ編集部=斉藤円華)2012年5月23日