日本政府が原発輸出の準備を進めているベトナムで、現地の著名ブロガーが原発輸出に抗議する文書と署名を5月23日までに在ベトナム日本大使館に提出した。ブロガーに対しては現地で嫌がらせも発生し、ブログが閉鎖に追い込まれた。
原発輸出への抗議文を作成したのは、ベトナムの古文書を研究するハンノム研究所に勤務するグエン・スアン・ジエン氏。同氏はブログに「高度な日本の核技術でも東京電力福島第一原発事故を防げなかった。日本政府の原発輸出は不道徳で非人道的だ」などとする抗議文を掲載し、署名は453筆が集まった。
共産党一党支配のベトナムでは情報が統制されており、ブロガーによる抗議活動は異例という。18日には現地でジエン氏に対する嫌がらせ事件が発生した。環境NGOのFoE Japanは6月4日、日本とベトナムの両政府が今回の抗議文について誠意をもって検討することや、ジエン氏らに不利益を与えないことなどを求める要請書を、野田佳彦首相と玄葉光一郎外務大臣に宛てて提出した。(オルタナ編集部=斉藤円華)2012年6月5日