西アフリカのサヘル地域では、大干ばつと食料価格の高騰で1800 万人以上が飢餓の危機に直面している。そこで、子ども支援の国際NGO であるセーブ・ザ・チルドレンは、西アフリカで食料危機宣言を発表し、サヘル地域4カ国(ニジェール、マリ、モーリタニア、ブルキナファソ)での緊急支援を開始した。同団体は、過去30年にわたり、食料危機に対する支援を実施してきた。
サヘル地域は最貧困地域の一つで、収穫高や食料価格の変動など、外的要因の影響を受けやすいという。
セーブ・ザ・チルドレンの調査分析によると、今年6 月からサヘル地域の大部分が不作の時期に入るため、今後数カ月にわたり、貧困家庭では本来必要とする食料の約2 割しか入手できないことがわかっている。今回の食料危機で、西アフリカでは既に何百万人の子どもたちが慢性的な栄養不足に苦しみ、餓死した子どもの報告もされている。
セーブ・ザ・チルドレンは、「西アフリカ地域の食料危機問題について初期段階から警告を鳴らしてきたが、国際社会による支援が不十分だったために被害は悪化の一途をたどっている」としている。こうした状況を受け、同団体は緊急支援として、現在までに数万人の人々に食料購入のための現金支給を行ったほか、約9 万人の子どもたちに対し、栄養不良の治療を実施してきた。
今後は100 万人の子どもたちを含む150 万人の人々に対し、食料および安全な水の提供、保健栄養支援などを実施していく予定だ。(オルタナ編集部=吉田広子)