「志」を求める若者たち(22) ホームレス状態を生み出さない――ホームドア

大阪の2大問題、ホームレスと放置自転車を同時解決する事業を、大阪の大学生たちが始めた。NPOを設立し、自治体と協働して進めるこの事業に、新しい街おこしの期待が高まる。(聞き手 今一生)=文中敬称略

川口加奈(21歳) NPOホームドア代表理事。中学2年から大阪・あいりん地区のホームレス問題に関わり始め、2010年4月に大学生を中心に同法人を設立。大阪市立大学4年生。

(本誌からの続き)

――大阪の2大問題、ホームレスと放置自転車の解決を目標に作られた「HUBchari(ハブチャリ)」には、2種類の利用の仕方があるようですね

NPホームドア代表・川口加奈さん

川口 そうです。一つはシェアサイクルとして。

「ポート」と呼んでいるビル、ホテルなどの拠点で「HUBchari」(自転車)を借りて、他の拠点に返したり、借りたりできるサービスです。

シェアの場合は、事前登録が必要です。

まず、携帯電話もしくはパソコンから会員登録をし、利用登録完了メールを受付スタッフに見せれば、あとは月額料金735円を払っておくだけで、いつでも鍵を受け取って出発できます(※日額会員は210円で利用30分後から30分ごとに105円が追加課金)。

HUBchariではシティサイクルを使用(写真は模型)

もう一つは、レンタルです。レンタサイクルは事前登録なしに借りることができます。借りられる場所はホテルや数拠点に限られていますが、他の拠点でもご返却できます。

拠点で利用登録証を記入し、利用料金700円とデポジット1000円を払えば、鍵とカード受け取り、出発できます。デポジットは返却時に返金されます。

――そうした「ポート」はビルなどのデッドスペースを利用しているそうですが、1箇所にはいくつの自転車を置いていますか

川口 今のところは1箇所あたり3台から5台程度です。「ノキサキ貢献」という形で無料で利用させていただけるところを探しています。

――川口さんは来春卒業ですが、卒業後もこの活動を続けていく予定なんですよね

川口 はい。「気持ちよい自転車で大阪を気持ちよく走ってもらいたい」「HUBchariに乗れば乗るほど、大阪の街や2大問題がどんどん良くなっていく」、それが私たちの願いです。

●NPOホームドア 公式サイト

●HUBchari(ハブチャリ)

●NEC社会起業塾でのホームドアの事業プラン(PDF)

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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