警視庁は、13日に官邸前で行われるデモに対し、「反原発運動をめぐる記者会館前地区等の警備措置について」と題した内部文書を出していたことが分かった。
その中で、警視庁は「参加者による事故防止を徹底する」と強調。これまでの抗議活動の中で、車道にあふれたデモ参加者と通過車両との間に危険な状態が発生したことや、国会議事堂前駅に、参加者が集中したために、雑踏事故発生が懸念されたことなどを問題点として指摘している。
そして、今後は、1)車道上に参加者を出さず、抗議行動はあくまでも歩道上で行なうこと 、2)国会議事堂前駅を利用する参加者については、4番出口のみから地上に上がることができるようにし、ほかの出入口は降り口専用にする――などの措置を講じることで事故防止に努めるとしている。
しかし、6月29日のデモのような大混雑の可能性がある以上、参加者を狭い歩道に押し込めるのではなく、車両通行を規制し、十分な空間を確保することが賢明な措置ではないだろうか。
しかし、警視庁は「車道は、車が通過するエリアであり、そもそも車道で抗議行動を行うことが不正常である」とし、あくまで官邸前での抗議活動は歩道に限定する意向だ。
なお、これまでの官邸前のデモで発生した怪我人や病人の数を把握しているか、というオルタナの取材に対し、警視庁で広報を担当する倉上憲一氏は「その点に関しては一切、広報していない」と回答するにとどまった。(オルタナ編集部=赤坂祥彦)