国際交流NGOピースボートはこのほど、財団法人「環境財団」(韓国)と共催で「ピース&グリーン ボート2012」を出航すると発表した。
12月1日に博多を出航し、8日間の船旅で原発が立地する釜山や敦賀などを訪れるほか、長崎や大規模なスマートグリッドの実証実験が進む済州島にも寄港する。
ピースボートで共同代表を務める川崎哲氏は「日本の脱原発運動は空前の規模だ。韓国でも、今年2月に全国45自治体の首長が、『脱原発』を宣言した。この流れを、世界中へ波及させ、国際問題として福島原発事故を考えたい」と今回の共催の経緯を説明した。
賛同人で元国立市長の上原公子氏は「今、東京で起きている脱原発に向けた大きなうねりは組織化されたものではない。これは、愚鈍な政府に対する一種の革命だ。このクルーズを布石とした国境を越えた市民同士の連携が政府への更なる圧力となるはずだ」と述べた。
ルポライターの鎌田慧氏は「先日、代々木公園のデモに17万人が集まったことは、日本の大衆運動に新たな流れをつくった。デモを繰り返すことも大事だが、より幅広い運動の一環として、国境を越えた次世代交流に貢献したい」と乗船に対する思いを語った。
川崎氏は「日韓ともに、原発立地と電力消費地の間には大きな溝がある。相手を説き伏せるのではなく、互いに違う利害関係を持つ人同士が話あう場を提供したい。日韓あわせて700人ほどの乗船を見込んでいる」と話す。(オルタナ編集部=赤坂祥彦)