政府の東京電力福島第一原発事故の調査委員会は23日、最終報告を発表した。この中で東電原発事故をめぐる東電の姿勢について「過酷な事態を想定した教育・訓練が不十分で、事故原因究明への熱意が十分感じられない」などと厳しく批判し、その上で「より高いレベルの安全文化を全社的に構築するよう、更に努力すべき」と指摘した。
さらに首相官邸の事故対応について「当事者として現場介入することは現場を混乱させるとともに、重要判断の機会を失し、あるいは判断を誤る結果を生むことにもつながりかねず、弊害の方が大きい」と断じた。一方、経済産業省原子力安全・保安院に対しては「組織的、人的余裕がないのが実情だった」と述べるなど、「身内に甘い」一面も見せた。
また、同報告書では津波が事故の直接の原因と結論付け、地震による原発の損傷の可能性を指摘する国会事故調とは異なる見解を示した。(オルタナ編集部=斉藤円華)2012年7月24日