菅直人前首相は8日、日本記者クラブで会見を行い、日本でも7月から始まったFIT(自然エネルギーの全量固定価格買取制度)について「欧州で自然エネルギーの導入は間違いなく増えている。まずはやってみることだ」と述べた。
この中で菅氏は「(FITに対して)一部から高過ぎるとか、ドイツで失敗したとか、変な風が吹いている」と同制度への批判に言及。その上で「昨年ドイツとスペイン、今年はデンマークに行ったが、失敗した訳ではない」「まして日本ではFITに対して長年電力業界が中心となって反対してきた。制度がスタートしてまだ1か月なのにもう失敗だと、経済界からかなり意図的に聞こえてくる」と反論した。
そして「数年たって多少行き過ぎであれば、次の段階でどうするか考えればよい。やったからと言って原発のような危ないものが残るわけではなく、それで失敗とはならない。自然エネルギーは分散型なので、地方で農業との兼業が可能だ」などと語り、東日本大震災からの復興でも自然エネルギーの普及が高い潜在力を発揮するとの考えを示した。(オルタナ編集部=斉藤円華)2012年8月9日