福島第一原発から約60キロのところにある社会福祉法人福島愛育園の全児童生徒・職員130人を、8月20日から24日にかけて湘南に招待しようという保養プロジェクトが進んでいる。
「福島の子供達を湘南に呼ぼう!」実行委員会によるもので、神奈川県藤沢市が後援するなど100人以上の協力が見込まれている。保養プログラムは、保養先の人と交流しながら、海水浴やキャンプを通してのびのび過ごしてもらおうというもの。愛川ふれあい村でのキャンプや、藤原市民との交流会、江ノ島見学などもりだくさんの内容だ。
愛育園は2歳から18歳の子どもたち90人が生活する児童養護施設だ。福島第一原発事故後、施設内全域が汚染されたが、7万1000平方メートルの敷地は丘陸にあるためすべてを除染することは難しく、児童・職員は外に出ることを制限されている。
敷地内のモニタリングポストは、長らく毎時1マイクロシーベルトを示し続けていた。年明けに3カ月間試験的に愛育園のエアコンに放射性物質除去フィルターを設置し、春先に回収したところフィルターから2万ベクレルの放射性物質が検出されたという。
1キロあたり23万ベクレルになるため、食品の暫定出荷基準値100ベクレルや焼却基準値7000ベクレルと比べていかに大きな数値かわかる。放射性物質除去フィルターの開発者であり、販売会社の代表である野口幸廣氏は、この結果を見て、全てのエアコン・空気清浄機・掃除機に無償で放射線除去フィルターを設置することを申し出た。
現在モニタリングポストの数値は、6月の一部除染後には0.4マイクロシーベルト毎時と落ち着いている。
8月21日には、鵠沼海岸で福島のこどもたちと交流しようと大地引網祭りが計画されており、プロジェクト実行委員会は一般参加を呼びかけている。当日参加は大人1000円、子ども500円で食事つき(先着300人限り)。
世話人の一人である三浦明人さんは「子どもたちの低線量被曝からの被害はこれから、深刻になるだろう。結婚差別などの深刻な社会問題も出てくるかもしれない。まずできるところから福島との連帯を考えていきたい」と話し、今後も受け入れを継続したいと受け入れや寄付、手伝いなど広くボランティアを募っている。(田口理穂)
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