ISEP(NPO環境エネルギー政策研究所)は17日、政府が14日に示した新たなエネルギー戦略について「核燃料サイクルの議論を先送りしたまま、明確に『原発ゼロ』の実現時期や方法を示していないのは大きな問題だ」とした上で、2020年までに脱原発の立法と工程の策定、およびそれらの確実な実施などを求める提言を発表した。
政府が14日に示した「革新的エネルギー・環境戦略」は、30年代の原発稼働ゼロの実現、核燃料サイクルの推進などを明記。これに対してISEPは提言で、従来の原発依存のエネルギー政策からの方向転換を評価する一方、政府が示す原子炉の40年の運転制限などからなる「原子力に依存しない社会の実現に向けた3原則」だけでは不十分として「原子力ムラから独立した原子力規制委員会人事の見直し」など4項目を追加するよう求めている。
また、政府が引き続き進める方針の核燃料サイクルについても「すでに破綻している」として即時放棄を求め、使用済み核燃料の全量直接処分を前提とする「中長期の乾式中間貯蔵」へ方向転換した上で「使用済み核燃料の総量抑制とその中長期の貯蔵場所について国民的な熟議を進めるべき」と提言している。(オルタナ編集部=斉藤円華)2012年9月18日