環境・CSR経営世界ベスト100社
国内編
自らの手法で低炭素社会を目指す
鳩山政権の温暖化対策が混迷するなか、独自の環境経営を追求する企業が増えている
001 北の達人コーポレーション
●インターネット通信販売事業 ●インターネット広告事業
5億4000万円
北海道札幌市
www.kitanotatsujin.com食品を中心とした北海道の物産を扱う「北海道・しーおー・じぇいぴー」や、在庫処分品や規格外などの食品を低価格で販売する「北海道わけあり市場」などを運営。同社バイヤーと仕入先との会話がきっかけで生まれた「北海道わけあり市場」は、13万人から支持され、食料に対する姿勢を見直すきっかけを創出。同社が行う「わけグルしよう運動」では、ワールドビジョンジャパンを通じて子どもたちを支援している。
002 ヒューエンス
●環境浄化システム設計・施工及び販売、維持管理
非公開
北海道帯広市
「旋回噴流式オゾン酸化法」という特許技術で汚水処理プラントを提供。流体力学を応用し化学反応を促進させる物理化学技術で、現在50カ所以上のプラントが日本全国に設置稼動している。中国での展開を予定し、今後は上記技術を応用した水循環型社会への取組や、太陽光発電やバイオマスと組み合わせた低炭素旋回噴流式オゾン酸化法の開発でアジア・世界を目指す。
003 北のグルメ都市 ソサエティ賞
●八戸屋台村「みろく横丁」の運営
5億6000万円
青森県八戸市
02年、環境対応型八戸屋台村「みろく横丁」をオープン。25店舗が軒を連ねる。各屋台は建設廃材などリサイクル資材を利用し、路面には廃タイヤチップや回収トレーのリサイクル品を混ぜた資材を使用。回収した割り箸をコピー用紙としてリサイクルしたり、生ゴミを肥料化し農家に提供したりするなどゼロエミッションの実現を目指す。若手起業家育成や中心街地の地域活性化にも貢献。
004 トップリバー
●野菜の生産・販売 ●新規就農者の育成
10億円
長野県御代田町
長野県北佐久郡の遊休地を中心に開墾し、全体で30㌶の自社圃場で野菜を栽培する。新規就農者の育成にも定評がある。09年11月からは、同社の「儲かる農業」の実践ノウハウを生かし、他の農業生産法人などに「収益アップサポートサービス」の提供を開始。また、外食・食品加工の企業向けに、野菜の安定確保、品質向上のための仕入れノウハウを伝授する「野菜購買 無料アドバイスサービス」をスタートした。
005 木楽舎
●「楽つみ木」の製造、販売 ●ワークショップの開催
2000万円
山梨県中央市
「楽つみ木」は立方体、台形、長方体の3種類の同社のオリジナルブランド積み木。たくさんの積み木で遊ぶワークショップでは子どもはもちろん、大人たちも巻き込んでしまう力が発生する。新しい遊戯環境の創出として評価されている。新しい事業として、街(都会)の幼稚園保育園のCO2の貯金箱である「楽つみ木」を提供する。子どもと積み木で街に大きな森を創るプロジェクト。心を育み、持続可能な社会を創る。
006 オクタ
● 新築・増改築リフォームの企画・設計・施工
43億5540万円
埼玉県さいたま市
02年に環境宣言をし、塩化ビニルクロスの受注を禁止した。「珪藻土」「和紙」などを多用した自然派リフォームを展開。09年には、「1% For The Planet」に加盟し、オリジナル建材に関わる売り上げの1%を、埼玉県の間伐材・林業支援をする団体へ寄付している。国土交通省が推奨する「長期優良住宅先導的モデル事業」にも対応し、長く住み続けられる住まい造りを目指している。
007 とうふ工房わたなべ ストア賞
●豆腐、油揚げの製造販売とその関連商品の販売
3億5500万円
埼玉県ときがわ町
食品に対する消費者の不安を払拭するため「素性のわかる豆腐作り」をテーマに近郊農家の大豆を積極的に利用し、農家と豆腐屋と消費者の三者が一体となった豆腐作りを目指している。使用大豆は年間100㌧、原料の大豆の9割以上は県内産を使用し、残りは他県から仕入れる。隣の小川町の有機農業の指導者として知られる金子美登さんのグループから、無農薬の大豆10㌧を買う。1日平均100万円近い売り上げがある。
008 大川印刷
●印刷
6億円
神奈川県横浜市
明治14年創業、本業を通じて環境に配慮した「ソーシャルプリンティングカンパニー」を目指す。環境に配慮した営業、制作、配送はもちろんのこと、企業とNPO、NGOを結ぶ仲立ちや、募金活動などの社会貢献活動にも積極的に参加。年齢の差、障がいの有無にかかわらず、読みやすく使いやすいメディア・印刷物の提供に取り組む、メディア・ユニバーサルデザイン(MUD)にも力を入れている。
009 太陽油脂
●家庭用・業務用石けん、化粧品、シャンプーなどの製造販売
160億円
神奈川県横浜市
「人と環境に優しい石けん」にこだわり、合成界面活性剤や合成添加物などを一切含まない昔ながらの石けん成分を原料とした化粧石けんや洗剤、シャンプー、ハミガキ、ハンドクリーム、リップクリーム、コスメタリー製品などを作る。詰替用の商品を積極的に製品化し、資源の節約に力を注ぐ。太陽光発電やコージェネレーションシステムも導入した。09年3月には「エコアクション21」の認証を取得した。
010 たまき
●ユニフォームのネックウェアを中心とした企画・生産・卸販売
非公開
神奈川県横浜市
カーボンオフセット付きネックウェアを業界で初めて09年に商品化した。ネクタイ・リボンなどのネックウェアの製造から廃棄までのライフサイクルで排出されるCO2の全量を、国連認証を得た排出権を用いてオフセットした。この排出権は、インドの小規模水力発電と小規模風力発電、韓国の風力発電によるCO2削減が由来。これによりネクタイ1つ当たり440g、リボン1つ当たり240gのCO2を削減した。
011 ユナイテッド・ピープル
●世界の問題解決のためのソリューション事業
非公開
神奈川県横浜市
クリックするだけで、無料で募金ができる「イーココロ!クリック募金」や、署名を無料で集められるオンライン署名サイト「署名TV」などのサイトを運営。クリック募金では、スポンサーが、実際の募金費用を負担する。スポンサーにとってはアクセス数の増加やブランディング効果が見込める。また、環境や国際関係にまつわるクイズに答えてからクリック募金に参加する「Yahoo!ボランティア クリック募金」も運営。
012 みやじ豚
●養豚業
6800万円
神奈川県藤沢市
「一次産業がかっこよくて、感動があって、稼げる3K産業にすること」がミッション。生産から消費者の口に入るまでをプロデュースする目的で、月に一度湘南の観光農園でバーベキュー大会を開く。大麦を主とした飼料にもこだわり、ストレスの少ない環境を作ることで、味の良さを追求する。みやじ豚はインターネットを通じて購入できるが、その場合、簡易包装で発送する。08年農林水産大臣賞を受賞。
013 リガルジョイント
●流体制御機器および継手類の開発・製造・販売
16億円
神奈川県相模原市
「自然のエネルギーや力を最大限に利用する」ことを念頭に、オゾン製品、真空ポンプなどの商品開発と環境対応に努める。その技術の一つが「熟成オゾン水生成技術」。高純度の酸素ガスを生成活用し、窒素酸化物はほとんど発生せず、毒性がない。殺菌力は塩素同等で、海外では医療分野でも用いられる。本社ビルでは、雨水をオゾン処理して、トイレ排水、冷温水にも利用している。
014 久米繊維工業
●Tシャツなどニット製品の企画・製造・販売
4億9700万円
東京都墨田区
1935年創業の国産Tシャツ専門メーカー。裁断から縫製、検品、仕上げ、プリントまで一貫して国内の系列工場で手がける。Tシャツの生産プロセスではグリーン電力を積極的に使用。また、10枚のTシャツとBGMを組み合わせ、Tシャツとアートのコラボレーションを訴求する「10 pieces exhibition」も展開中。09年には、イノベーションを実践している中小企業を東京商工会議所が表彰する「勇気ある経営大賞」特別賞を受賞した。
015 ユーズ
●廃食油の回収・リサイクル ●油田せっけん・VDF販売
1億3000万円
東京都墨田区
お店や家庭で使い終わった天ぷら油を回収し、リサイクルする事業を通じて、循環型社会の実現を目指す「TOKYO油田2017」プロジェクトを展開中。集めた油はecoハンドソープ「油田せっけん」や軽油代替燃料「VDF」などに生まれ変わる。このプロジェクトを通じて、市民もお店も、誰でも参加できる身近な「油の循環」を実現している。
016 アバンティ
●有機栽培原綿の輸入、糸・生地・最終製品の企画・製造・販売
9億1000万円
東京都新宿区
オーガニックコットンを専門に扱い、原綿を輸入し、糸、生地、製品までを企画、生産、販売している。自社オリジナルブランド「プリスティン」の製品はすべて日本オーガニックコットン協会の認証基準に則り、化学薬剤を避けて無染色で生産する。原綿はテキサスを中心に輸入し、製造は日本国内で行っている。09年からは長野小諸での綿花栽培もスタートした。経済産業省「ソーシャルビジネス55選」にも選出されている。
017 リボーン
●エコツーリズム専門旅行業
8000万円
東京都新宿区
廃食用油由来のバイオディーゼル燃料バス(天ぷらバス)を使った農水省も支援する都市農村交流グリーンツアーを企画・運営。ニュージーランドやボルネオの森作りツアーやスウェーデンCSRスタディーツアーなども手掛ける。07年には、環境省の第3回エコツーリズム大賞の特別賞を受賞。「持続可能」をキーワードに据えたツアーは好評。
018 アネックス
●都市緑化のための施工 ●緑化ユニットの販売
1億円(受注額)
東京都渋谷区
「5×緑」プロジェクトでは、金網で作ったカゴに軽量土壌を詰め、そこに里山の植物を植え、都会に置く。利益の一部が里山を元気にする活動費に回り、里山の生態系を豊かにしていくというのが仕組み。「5×緑」の名前の由来は、カゴの上面だけでなく、4つの側面にもつる植物を植栽することで、同じ面積でも緑の面積は5倍になるため。里山の植物を使ったセミナーなど環境教育にも取り組む。
019 エンヴァイロテック
●廃棄物圧縮減容機、業務用清掃ツールの輸入販売
10億円(連結)
東京都渋谷区
「Less is More」をコンセプトに、環境トータルソリューションを提案。企業・自治体向けに、廃棄物圧縮減容機、圧縮梱包機を販売している。同社のシステムを利用することで、リサイクル率の向上、CO2削減、廃棄物保管場所削減など環境負荷軽減を実現。また、グリーンクリーニングを提唱し、洗剤のいらないモップやクロスも販売している。
020 英治出版
●出版
2億円
東京都渋谷区
00年4月に最初の「ブックファンド」を作り、09年12月までに59タイトルを出版。同社のブックファンドは、企業のブランディング活動の一環として、また作家がデビューする機会として、出版を通じた著者の目標を支援してきた。なかでも06年に出版された『南の島の「プルワン」』では、500冊をスリランカの学校に寄付することを必要経費に組み込み、さらに孤児院建設費用を印税保証するファンドを組成した。
021 oh庭ya
●造園、庭木の維持管理
4億円
東京都渋谷区
庭木の手入れから伐採、消毒、生垣や植え込みの刈り込み、芝刈り、草刈りまでのサービスを提供する。明朗会計や作業後のきれいなそうじなど「安心と感動」がモットー。適切な時期に適切な手入れを庭木に入れ続けることで、無駄な枯死を防ぐ。これは緑が息づく景観を守り、同時に環境負荷を軽減することにつながる。米国の「ロングテイルネーチャー」の管理手法を導入している。
022 生活の木
●ハーブ、アロマテラピー関連製品の輸入・加工・販売
63億円
東京都渋谷区
ハーブ、アロマテラピーを日本で広め、環境や健康を志向する代表的な一社。ガーナのシアバターソープ、エチオピアの森林コーヒーの生産で、世界の人々との共生をめざすビジネスモデル「コミュニティートレード」を実現。福祉施設利用者の方が製造、手描きラベルで包装したウェルフェアトレードソープの生産で、福祉を同等の立場に高めるビジネスモデル「ウェルフェアトレード」を実現している。
023 フェアトレードカンパニー
●衣料品、日用雑貨、食品等の商品開発および輸入・販売
7億5000万円(09年度見込)
東京都世田谷区
日本での「フェアトレード」の先駆け的存在で、ブランド「ピープル・ツリー」を展開。アジア、アフリカ、南米などの約50団体と共同で、衣料品、アクセサリー、雑貨やオーガニック食品などの商品を開発し、輸入・販売している。著名なデザイナーやモデル、女優とコラボするなど、デザイン性の高い製品に注目が集まる。01年には、英ロンドンに姉妹会社を設立した。
024 ナチュラルハウス
●オーガニック食品・化粧品の製造・販売
52億円
東京都港区
「オーガニック」「ローカル」「サステナブル」のコンセプトをもとに、顧客様と生産者をつなぐ「アップルビレッジ」を立上げ、日本の「希望」と「未来」を繋ぐ、循環型流通の実現を目指している。ホームページのヴィレッジ広場では、商品紹介にとどまらず、オーガニックに関するコラムを紹介し、イベントも開催する。
025 アイエスエフネット
●情報通信システムの設計、施工業務、労働者派遣事業
77億円(国内、連結)
東京都港区
ISFnetグループは「5大採用」を掲げている。「シニア、時間等に制約のある人、障がい者、フリーター、引きこもり」など働くことに制限のある人に対して、安心して働ける環境を創造し提供する。この努力が形となり「5大採用」の一つである障がい者雇用を目的とした「アイエスエフネットハーモニー」、在宅勤務をベースとした「アイエスエフネットケア」を設立した。
026 吉水
●宿泊
非公開
東京都中央区
東京銀座三丁目、京都の円山公園と京都府綾部市で日本初グリーンキー認証の宿を営む。有機野菜、天然の魚介類や肉類などの安全な食材のみを使用。また、化学物質の入ってない伝統的な方法で作られた味噌・醤油・酢・みりんのみを使っている。壁、床、畳、寝具でも「自然素材」にこだわり、快適な宿泊環境を実現している。今春4月より毎月16日、築地本願寺で朝市を開く。
027 白井グループ
●廃棄物リサイクル
25億円
東京都千代田区
「廃棄物を生かす力」をスローガンに、徹底した環境配慮型の廃棄物事業を展開。廃棄物輸送に係る燃料を軽油からバイオ燃料に転換するなど、ここ数年CO2削減には特に力を入れている。米西海岸のシステムを応用した廃棄物を現金で買い取る「資源ごみ買取市」は地域住民や行政から高い評価を受けている。制服は、経営理念に共感を受けたパタゴニアが協賛している。
028 フルッタフルッタ
●アマゾン産フルーツ原料の輸入 ●健康食品の加工・販売
10億円
東京都千代田区
ブラジル・アマゾンのトメアスに住む日系移民の農業組合(CAMTA)から直接、アサイーやアセロラ、カカオ、クプアスなど多様な原料を輸入。いずれも多様性が基本の「森をつくる農業」アグロフォレストリーで栽培したもので、地球温暖化防止や生物多様性の保全の貢献につながる。また大手メーカーとの協業や環境省のエコアクションポイント事業に参入するなど市場の拡大に取り組む。
029 マザーハウス
●発展途上国におけるアパレル製品及び雑貨の企画・生産
1億4000万円
東京都台東区
「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念のもと、バングラデシュで、ジュートや革を使ったバッグなどを製造・販売する。ジュートは、通常植物の5─6倍の二酸化炭素を吸収し、土に埋めた場合もバクテリアによって分解される環境負荷の少ない素材。現地工場では、年金・医療保険、メディカルチェック、スタッフ向けローン制度などを整え、最高の労働環境を目指す。
030 ママジョブ
●ママのための求人サイト・仕事復帰イベントなどの運営
4000万円
東京都中野区
ママジョブは、ママの「働く」を応援している会社。①ママ歓迎の求人サイト、②ママのお仕事復帰イベント、③ママ起業家養成スクールの運営を通じ、ママの働き方をもっと自由に楽しくすることで、妊娠・出産・子育てとライフステージが変わっても、女性が輝ける社会づくりに貢献する。日本では、約7割の女性が出産を機に退職し、いったん専業主婦となるが、その後、7割以上が再就職する。
031 アンビエックス
●健康住宅の提案・建築 ●エコヴィレッジの企画・設計
6200万円
東京都目黒区
安全な素材にこだわり、有害化学物質を極限まで使わない資源循環型の健康住宅を設計。ペレットストーブや太陽熱温水器などの自然エネルギーの採用を提案。CO280%削減達成を目指す。住宅を取り巻く地域レベルでの問題解決を目指すコーポラティブ方式のエコヴィレッジも複数手掛ける。林産地再生や木造伝統技能の継承をめざす「一般社団法人・天然住宅」を立ち上げる。
032 日本理化学工業
●文具や事務用品の製造・販売、プラスチックの成形・加工
非公開
東京都大田区
障がい者雇用経営と環境経営の両立を掲げる。1960年から知的障がい者の雇用にチャレンジし始め、今や、川崎市と北海道美唄市の両工場では従業員の70%以上が知的障がい者。1人ひとりの理解力に合わせて作業を工夫・改善することで、誰もが活躍できる仕事場を提供する。環境面では、ホタテ貝殻配合のダストレスチョークを開発・販売。用途が限られていた貝殻を材料として使い、廃棄物の減量に寄与する。
033 ミチコーポレーション
●製造、卸業、小売業
非公開
東京都西東京市
スリランカで象の排泄物をリサイクルした100%手作りの紙「ぞうさんペーパー」を製造している。06年にはBBCワールドとNewsweek誌が主催する世界的コンテスト「ワールドチャレンジ2006」でグランプリを獲得した。また、天然ゴム製の動物フィギュア、オーガニック食品、屋上緑化用建材「ぞうさん緑化マット」など、スリランカの商品を日本や世界に輸出している。
034 東洋ボデー モノづくり賞
●輸送用機器製造販売
24億7800万円
東京都武蔵村山市
「人と企業と地球の調和」とスローガンに掲げ、トラックリアボデーやその関連商品などの開発、製造、販売で、環境マネジメントシステムの推進を図る。環境に配慮した製品の開発にも力を入れ、ボトルカーの車体重量を10%軽量化し、燃費を2─3%改善させた。強度と安全を考慮したうえで、ボルト1本の軽量化設計も行う。2015年までにCO2の排出量の25%削減(総量)を目指す。
035 森のエネルギー研究所
●森林バイオマスの活用におけるコンサルティング
1億3024万円
東京都青梅市
森林バイオマスの利活用を推進。地域の新エネルギービジョンの策定やフィージビリティスタディの実施、その地域や企業にとって適切な木質バイオマス活用システムの選定などのサービスを自治体や企業向けに提供する。企業利益と社会利益の同時達成がモットー。
036 オークヴィレッジ
●木製家具・小物漆器の製造販売 ●木造建築の設計・施工
10億300万円
岐阜県高山市
「木の文化の再構築」を目指し、「お椀から建物まで」生活全般に関わる木の商品や社会貢献グッズを製造、販売する。飛騨の山あいの敷地には、ショールーム、カフェ、家具工房、自然体験施設など、多様な施設が広がる。「100年かかって育った木は100年使えるものに」 をモットーに、木を一本使うごとに木を一本返すため、NPO「ドングリの会」の植林・育林活動の支援も行う。
037 河合電器製作所
●電気ヒーターの開発・設計・製造・販売
13億2400万円
愛知県名古屋市
「優しさと温もりと共に『新しい熱』を創造します」を経営理念に掲げ、騒音や排ガスの発生しないクリーンな電気エネルギーでモノを温める技術に特化した企業。「熱」は、加熱や乾燥、溶解、焼成、殺菌など、モノづくりのあらゆる場面で使われるため、最適な方法で熱を提供することはエコになる。また「社員の笑顔」を経営指標とし、女性や障がい者、高齢者を積極的に雇用しているのも特徴。
038 たねや ピープル賞
●和菓子・洋菓子の製造販売 ●喫茶・食事
170億円(連結)
滋賀県愛荘町
創業明治5年、「天平道」「黄熟行」「商魂」を経営理念に掲げる菓子メーカー。加工ロスを養豚資料として再資源化したり、回収された廃食油から精製されたBDFを保冷車に使用したり、容器のデポジット制度を導入するなど環境保全活動に積極的に取り組む。本社敷地内に社員の子どもたちを預かる企業内保育園「おにぎり保育園」を設置し、社員が働きやすい環境づくりを目指す。
039 フローラトゥエンティワン
●観賞用植物の新品種の開発
3600万円
滋賀県彦根市
約100の花の品種を世界中にライセンスしている育種会社。使われていない遺伝資源に新しい価値を見つけ利用することで農業の活性化の役に立ちたいとしている。宮崎大学と開発した日本初のキイチゴ新品種の商品化プロジェクトは、「農商工連携プロジェクト」の認定を受けた。極食味良で、高温による品質低下の影響を受けにくく、収穫も多い米の新品種「みどり豊」の普及にも努める。
040 フェリシモ
●ダイレクトマーケティング
542億7700万円
兵庫県神戸市
自社企画の衣料品や雑貨をカタログやインターネットを通じて全国に販売。顧客との継続的関係性をもとに、基金付き商品やポイント制度の活用などで、環境保全、健康支援、自立支援、文化創造などに向けて、幅広く社会文化活動を行う。「フェリシモの森基金」90年に始まり、これまでに国内外36カ所で森づくりを推進。環境に配慮したエコ商品のカタログ「エコラ」も発行している。
041 サラヤ
●家庭・業務用の石けん・洗剤や消毒剤などの開発・製造・販売
269億600万円
大阪府大阪市
ヤシノミ洗剤やアラウ、ラカントS、シャボネットなど、植物由来の原料をベースにした自然派商品の開発やパッケージの省資源化に取り組んできた。世界的なアブラヤシのプランテーション拡大を懸案して、マレーシアのサバ州で、生物多様性を保全するために緑の回廊を整備する「ボルネオ保全トラスト」を支援。ヤシノミ洗剤のシリーズ商品の売り上げ(メーカー出荷額)の1%を同トラストに寄付している。
042 エイワット
●自然エネルギー機器製造 ●CSRコンサルティング
1億円
大阪府堺市
99年から自然エネルギー機器の製造・コンサルティングに参入。大阪府の次世代エネルギーパーク整備ビジョン策定の実績を持ち、今後は、インド商工会議所協議会と協働で、インド国内4カ所に自然エネルギーパークの設置を予定している。行政や企業だけでなく、個人、教育機関などにも自然エネルギーのシステムを投入している。近江商人の「三方よし」に「未来よし」を加えた「四方よし」を志す。
043 シックス・プロデュース アース賞
●農業 ●製造業
3654万円
島根県邑南町
「完全自然放牧」による牛乳や加工品を販売。牛舎を設置せず、成牛換算1頭当たり0.5㌶以上の牧場で、縄にもつながず完全に自然放牧している。そのため一日一頭当たり10㍑しか搾乳できない。だが搾乳期間後、雌と雄が本能的に妊娠するまで根気強く待つため、牛の寿命は通常より長くなる。飼料は自然の草花や山野草で、バイオ燃料などで高騰するトウモロコシ市場の暴走を抑え農地を守る。
044 中村ブレイス
●義肢装具、人工乳房、人体補正具などの製作・開発
9億円
島根県大田市
07年に世界遺産となった石見銀山の静かな歴史の町、島根県大田市大森町に本社を構える。義肢装具や人工乳房など、世界最高レベルのものづくりに挑み、地域の雇用創出に貢献。と同時に、町内の伝統的な町並みに建つ家を何軒も引き取って改修し、従業員の寮や社宅、店舗として利用している。全社員一丸となって福祉に貢献し、町並み景観の保存にも寄与するこの経営理念は高い評価を得ている。
045 21(トゥーワン)
●メガネ・コンタクトレンズの小売専門店
45億円
広島県広島市
会社に利益を残さず、日本一の安さを追求し、メガネやコンタクトレンズを販売。全ての情報をイントラネットで公開することにより、徹底的な合理化を勧める。管理職、会議、ノルマ無し。「内部留保をせず値下げと給与へ振り分ける経営方針」で、仮に経営危機が訪れた場合は賞与を減らして対処。新規出店を行う場合は社員に出資を募る。会社と社員の信頼関係なくしては成立しない手法である。
046 池内タオル
●オーガニックを中心としたタオル、ファブリックの製造・販売
4億円
愛媛県今治市
風力発電で電力をまかなう「風で織るタオル」は国内外で高い人気。10年4月には中国・江蘇省に店舗をオープンした。99年にISO-14001、00年にISO-9001の認証をいずれもタオル業界では初めて取得するなど、環境と品質の両面の強化を推進。10年2月には「ISOの卒業」を宣言し、第3社機関の認定に頼ることなく、より厳しい自社基準でマネジメントをしていく。原料の100%オーガニックコットンを目指す。
047 ハート
●オーガニック寝具、肌着 ●インテリアの製造・販売
4億2000万円
高知県高知市
原料から最終製品に至る全工程でオーガニック認証を取得。09年にGOTS基準で有機認証機関エコサート(フランス)の国際認証取得。同社のオーガニック製品には全て有機認定番号、生産履歴番号が付いており逆追跡可能。無農薬だけでなく無添加を証明する機械清掃記録や輸送証明など有害な汚染物質を排除した品質管理の全記録を5年間保有、国に高く評価され受賞しものづくり白書に記載。
048 シャボン玉石けん
●無添加石けんの製造・販売
62億4000万円
福岡県北九州市
「健康な体ときれいな水を守る」をコンセプトに化学物質や合成添加物を一切含まない無添加石けんを製造・販売する。07年12月には有機栽培のオリーブを原料に使かった「シャボン玉オーガニック」シリーズを、04年からはEM(人間や環境に役立つ善玉菌の集合体のこと)技術を駆使したシャボン玉石けん「シャボン玉EMシリーズ」を発売した。シャボン玉EMシリーズの廃水は河川の浄化に役立つ。
049 ペーパーワークス
●塗壁材「水紙」の製造
1500万円
福岡県大牟田市
住宅の内装の仕上げに使用する塗り壁材として、牛乳パックを再生した「水紙」を製造、販売している。着色はイタリア産の土など天然素材を利用。のりを含む原材料はすべて自然素材で、シックハウス症候群の原因とされる化学物質などは一切含まない。生産過程の一部を授産施設に委託し、障がい者の自立支援もサポートしている。
050 沖縄教育出版
●健康食品・自然派化粧品の企画、通信販売
14億円
沖縄県那覇市
沖縄の薬草を中心に安心・安全な素材を使ったオリジナル商品を展開し、通信販売を行う。日本一長いデイリーアップ朝礼で知られ、会社を良くするため、学校のような会社をつくろうと始まった委員会活動が盛んである。現在では、環境委員会やボランティア委員会など10種類の委員会があり、入社後、それぞれが希望する委員会に所属し、活動する。正社員の障がい者雇用率は20%を超える。
米国編
環境をマーケティング戦略の主軸に
環境意識が高い、アッパー・ミドル層を中心に、持続可能性が高い製品・サービスを武器にしている
051 インターフェイス
●カーペット
8億5990万ドル
ジョージア州
商業・住宅用モジュラーカーペット製造、販売の最大手。再生期間が短いとうもろこしをベースとしたポリマーのカーペットや、100%再生ポリエステル素材による製品なども提供している。2020年までに環境に与えるネガティブなインパクトを排除するプログラム「ミッション・ゼロ」を2006年に発表。実際にCO2排出量を30%削減、埋立地に運ぶ廃棄物量も50%以上削減した。
052 トムズ・オブ・メイン
●日用品
非公開
メイン州
創業以来40年、天然原料だけを使った歯磨き粉、石けんなどの洗面用品を製造、販売。自然、持続可能性、責任における同社の基準を「ステュワードシップ・モデル」29か条として定めて、意思決定の指針としている。06年にコルゲート・パルモリブ社の傘下に入った。利益の10%を環境保全 や教育等の非営利団体に寄付し、全従業員が就労時間の5%をボランティア活動に充てる。
053 GAIAM
●通販・メディア
2億5717万ドル
コロラド州
心身ともに健全で持続可能なライフスタイルを啓蒙し、オリジナル製品を含む質の高い関連商品をカタログおよびオンラインで販売する。浄水器からフィットネスDVD、衣料品、ソーラーパネルまで、多様な製品を扱う。本社及び配送センターのCO2排出量をオフセットするため、環境基金「ゴー・ゼロ」を通じて1500本の木を購入。梱包材には100%再生可能、生分解可能な素材を使用する。
054 ジップカー
●カーシェアリング
1億590万ドル
マサチューセッツ州
北米28都市とロンドンに会員35万人、車6000台を有するカーシェアリング・サービス。会員は近隣の共有車を予約し、一時間又は一日単位で利用するが、維持管理、保険等のコスト面からも、マイカー所有の代替策を提供している。その結果、車の所有台数と運転時間が減少し、交通渋滞の緩和や排気量の削減に貢献。電気自動車の導入、iPhoneアプリケーション、ライドシェア、共有車を使ったボランティアなど、新サービスを追加中。
055 ホライズン・オーガニック
●乳製品
非公開
コロラド州
1991年に創業し、米国で最初にオーガニック認定の乳製品を全米に販売した。抗生物質や成長ホルモン、有害除草剤などを使わず、家畜の福祉に配慮したオーガニック牧場の支援、拡大に努めている。全国各地500カ所以上のオーガニック牧場と提携し、同社の牛乳の89%が自営農場から供給されている。製造に必要な全電力に風力発電を使用し、環境保護庁より賞を授与。04年に乳製品大手のディーンフーズの傘下に入った。
056 クリフ・バー
●スナックバー
2億3500万ドル
カリフォルニア州
「サイクリング、持続可能性、おいしさ」をテーマに、1992年よりエナジーバーを製造販売。スポーツイベントを協賛し、アウトドア派の支持を得る。02年より、オーガニック原料の購入を急増。ヨセミテのクリーンナップ・コンサート、乳がん予防教育、サイクリストへの持続可能性の教育など、多様なプログラムを実施している。女性やマイノリティを積極的に雇用し、通勤用自転車の購入改造や自宅の省エネ改築などに補助金を支給。
057 リサイクリン
●日用品
非公開
マサチューセッツ州
PreserveRというブランド名で、柄の部分に再生プラスチックを100%使った歯ブラシやカミソリ、食器,キッチングッズなど、スタイリッシュな日用品を製造販売する。オーガニックヨーグルト製造のストーニー・フィールドファーム等と提携して、使用済容器などを回収し再生資源として活用する「ギミー5」プログラムを実施。米国内のサプライヤーを使うことを基本とし、地域経済の活性化と海外からの輸送で発生するCO2の削減を図っている。
058 オネスト・ティー
●飲料
3780万ドル
メリーランド州
米農務省認定のオーガニック茶葉だけを使い、肥満が社会問題となる米国で、甘さを控えた健康志向のアイスティー飲料を販売。2004年に米国で初めてフェアトレード認証を受けた茶飲料の販売を開始した。07年には床にリサイクル・タイヤのゴムを使うなどした、環境配慮型の本社建物に移転。ボトルの軽量化やカーボンオフセットに取り組み、子供向けの「木を植えよう」運動を実施する。08年、 株式の4割をコカコーラが取得した。
059 ホールフーズ・マーケット
●オーガニック食品
80億3162万ドル
テキサス州
米国オーガニック食品スーパーの最大手。健全な食品、健全な人々、健全な地球をスローガンとする。米英カナダに280店舗を展開。1980年の創業以来、ヘルスフード17企業の吸収合併を重ね、オリジナルブランドを開発してグループを拡大した。地域の農業育成のため小規模農家やオーガニック食品製造会社に低利融資し、年間収益の5%を慈善団体に寄付している。
060 ソーラーシティ
●太陽光パネルシステム
非公開
カリフォルニア州
米国初のフルサービス・ソーラー・プロバイダとして、システムデザイン、ファイナンス、取付工事、モニタリングまで一貫して行う。アリゾナ、カリフォルニア、コロラド、オレゴン州の500地域で営業。2010年にはさらに5州に拡大予定。初期費用ゼロでパネルを取り付けて月々リース料を払うサービスと、使用電気代を支払うサービス で顧客を拡大している。加州の高速沿いに、電気自動車向け充電所を設置する計画も発表した。
061 ショアバンク
●金融
20億ドル(総資産)
イリノイ州
地域開発・環境保全事業へ投資する地域銀行のパイオニア。シカゴ、デトロイト、ポートランドなど7カ所に銀行及び関連の非営利団体を展開。地域経済活動を高め、健全な環境を作ることをミッションに、一般銀行にはリスクの高い低所得者や小規模事業、グリーン・ビジネス、非営利団体への融資を行う。同行の従業員の74%がアフリカ系アメリカ人で、上級管理職の30%は女性。
062 バイオ・エナジー・ソリューション
●バイオガス精製・供給
非公開
カリフォルニア州
カリフォルニアの酪農家が集まって創業。牛の糞から発生するメタンガスを燃料に、2008年よりカリフォルニアの天然ガス・電力会社PG&Eにガスを提供している。初期費用の大部分を負担して個別の農家に合わせた効率的なシステムを構築し、その運営維持を手がけ、利益と排出権の一部は農家に還元する。牛5000頭規模の農場では、最高7割に相当する1500㌧のメタンガス排出量を削減できる。加州環境経済リーダーシップ賞受賞。
063 カルバート・グループ
●金融
4700万ドル(総資産)
メリーランド州
社会的責任ある企業への投資では米国で最大規模の投資信託商品を販売するパイオニア。投資企業の選択には、財務実績と並び、企業統治と倫理、職場、環境、製品安全性とインパクト、海外運営と人権、地域との連携が含まれる。国際代替エネルギーファンドや国際水資源ファンドを運営し、株主運動の情報提供も行う。国連グローバル・コンパクトや国連環境計画・金融イニシアチブにも参加している。
064 ハーマンミラー
●家具
16億3000万ドル
ミシガン州
オフィス、家庭、学校、医療施設用の家具の製造、販売。人間工学にも配慮した優れたデザインを追求する一方で、様々な角度からの環境負荷の低減に取り組んでいる。2004年には、2020年をターゲットとし、VOC(揮発性有機化合物)/危険廃棄物/埋立廃棄物の100%削減、再生可能エネルギーの100%使用などの目標を掲げた。1994年以来、すでにVOC排出を93%、有害廃棄物を 95.4%、埋立排気物を88%削減している。
065 アヴェダ
●化粧品、ヘアケア用品
非公開
ミネソタ州
地球環境に配慮した植物成分ベースのヘアケア、化粧品などを取り揃える。原材料となる植物油や生ハーブの約90%は有機農法のものを採用。再生素材を用いたパッケージを使い、本社の使用電力の全てを風力発電で賄っている。社内では、CSRではなくCSP(Corporate Social Performance)という言葉を用いて、社員の労働環境や製品の持続可能性などについて5つのコミットメントを打ち立てて行動過程を測定している。
066 パタゴニア
●アウトドア用品
2億7800万ドル
カリフォルニア州
地球環境に配慮したアウトドアアパレルのパイオニア。環境負荷を最小限に抑えるため、リサイクル可能な、もしくはリサイクルされたポリエステル、有機コットンやウール、非塩素処理のウールなどを使う。売上高の1%以上を世界の草の根環境保護団体に毎年寄付。最近は、製品のデザインから配送に至るまでの環境負荷の現状や低減させる過程を広く知らせる「フットプリント・クロニクル」に力を入れる。
067 ストーニー・フィールド・ファーム
●乳製品など
3億ドル
ニューハンプシャー州
有機栽培された原料だけを使ったヨーグルトや飲料などの乳製品を製造。抗生物質、成長ホルモン、合成保存料、化学薬品類を一切使わず、自然原料だけで製造される。1997年に米国製造業として初めてCO2の排出を相殺し、以来継続している。収益の10%を地球環境保護と復元を担うNGOに寄付している。2004年には仏食品大手ダノンが株式の85%を取得、事実上傘下に入った。
068 アメリカン・アパレル
●衣料全般
5億4500万ドル
カリフォルニア州
低コスト地域での生産が主流のアパレルメーカーにあって、あえてメイドインUSAを掲げ、移民搾取の風潮に挑戦する。アパレルメーカー。外部労働力に依存せず、布地の裁断、縫製、マーケティング、広告まですべての製作過程を一カ所で行う拠点を、ロサンゼルス市内の倉庫街に立ち上げた。
069 ベン&ジェリーズホームメイド
●アイスクリーム
2億7200万ドル
バーモント州
有機栽培で生産された原料を利用した自然志向のアイスクリームを製造。欧州食品大手ユニリーバの傘下。2002年に始まった5カ年目標に沿って、CO2の排出削減や相殺に継続的に取り組む。2007年には、鶏卵の仕入先を鳥かごを使わない「ケージフリー」の養鶏場に移行する取り組みを開始。フェアトレード原材料による製品ラインナップも順次増やしている。
070 セブンス・ジェネレーション
●オーガニック用品
2500万ドル
バーモント州
自然や環境に配慮した家庭用品のトップブランド。洗剤、クリーナー、ペーパー類などを有害化学物質を廃した自然志向で生産。リサイクルも積極的に活用する。社名の由来は、米国先住民族のイロコイ・インディアンの言い伝えにある「常に7代先に及ぼす影響を考えた上で決定をしなくてはならない」。2007年には優れた社会事業に与えられるソーシャル・キャピタリスト・アワードを受賞。
071 ニューマンズ・オウン
●ドレッシング・パスタソースなど
4億4000万ドル
コネチカット州
俳優のポール・ニューマンが1982年に創業。自然素材を利用したドレッシング、ソース類を製造販売する。ニューマン氏と関連会社のニューマンズ・オウン・ファンデーションは、税引き後収益の全てを教育、慈善団体へ寄付。総額は創業以来、2億ドル余に上る。オーガニックのスナック、コーヒー、ペットフードなどを扱うニューマンズ・オウン・オーガニックは、娘のネル・ニューマン氏が経営。
072 グリーンマウンテン・コーヒー・ロースターズ
●コーヒー
9億5500万ドル
バーモント州
1981年に小さなコーヒーショップとして設立。自社でローストした高品質なコーヒー豆を提供する卸事業で事業を拡大し、93年にはナスダックへ上場。税引き前利益の5%を社会的責任の高い事業に寄付する。自社の基金を通じて商品の寄贈も行う。2009年にタリーズ・コーヒーなど大手ブランドを相次いで買収し、カナダを含む北米全体に事業エリアを拡大している。
073 エクストラサイクル
●自転車
93万ドル
カリフォルニア州
大容量のバッグを取り付けた自転車版ステーションワゴンとも言うべきロングテールバイクを専門に発売している。創始者のロス・エヴァンス氏が、南米、アフリカなど、貧困に苦しむ人の生活を豊かにするためにロングテールバイクを開発。エヴァンス氏は、会社経営とは別にWORLDBIKEという、自転車による貧困層の救済活動をする団体を設立。同社は、売上高の0.5%をWORLDBIKEに寄付している。
074 オーガニック・ブーケ
●花
非公開
カリフォルニア州
2001年に設立されたオーガニックフラワーを扱うオンライン花屋。契約農家で有機栽培されたバラ、ユリ、チューリップといった切花に加えて、鉢植え植物、花輪、チョコレートなども販売する。非営利団体支援のために、花束の収益から5%を寄付している。ここ数年、中南米の契約農家に有機認証の取得費を無利子で融資するプログラムを展開している。
075 ワーキングアセッツ
●金融・通信
1420万ドル
カリフォルニア州
年会費無料のクレジットサービスと携帯・長距離電話サービスを提供。クレジットカードで買い物をすると1回につき10セント、また、提供する携帯電話「CREDOモバイル」を使った通話料の1%が支援する環境保護団体や人権団体へ寄付される。総額は1985年の創業以来およそ6500万ドルに上る。会員による草の根市民活動も盛んで、米議会へ毎月8万件以上の陳情通話を行っている。
欧州編
政府の環境政策と企業戦略が一致
環境税(炭素税)や自然エネルギーの推進策など政府の環境政策を追い風に、環境企業が伸びている
076 B&Q
●DIY用品
無回答
イーストレイ
欧州最大、世界では第3位の大手ホームセンター。09年9月より国内で販売する熱帯広葉樹材(ブラジル産)の合板のすべてを、環境に配慮した森林管理認証(FSC)にするという世界初の試みを実施。08年に「包装リサイクル化」の試験実施で埋立税(廃棄物の重量により課される税金)約200万ポンドの軽減に成功したことから、2013年までに全330店舗での完全実施を目指す。
077 マークス&スペンサー
●総合百貨店
78億ポンド
ロンドン
英国の大手百貨店チェーン。コーヒーと紅茶がすべてフェアトレード製品、シャツや靴下は100%有機綿など環境配慮型の製品が充実。900品目にのぼる全ての飲食料品も、3年かけて人工着色料や風味料の使用をなくした。2012年までの環境への取り組みを網羅した「プランA」では、「廃棄物の埋め立て処理ゼロ化」「サプライチェーンに関わる人々の生活改善」などへのコミットメントを宣言した。
078 フリープレイ・エネルギー
●家電開発・販売
920万米ドル
ロンドン
太陽光パネル電源など低環境負荷の家電販売で、途上国の人々の生活水準向上を目指す。充電式電灯「ML-1 Mini Lantern」は、優れた家電製品を表彰する米国家電協会のCES イノベーション賞を受賞。09年には、同協会の「エコデザイン・サステナブル・テクノロジー部門」を受賞。同社の製品は、傘下フリープレイ財団による途上国支援事業でも役立てられている。
079 ザ・カーボンニュートラルカンパニー
●カーボンオフセット
非公開
ロンドン
企業や個人が排出するCO2を相殺するカーボンオフセットサービス提供のパイオニア。1997年創業。企業のオフセット向けの顧問から、個人のオフセット用の商品販売まで幅広く手掛ける。世界各地に法人300社以上。映画制作やイベント実施に伴うCO2排出のオフセットにも取り組む。日本に続き09年2月にはシンガポールに進出、アジアの顧客も増やす。
080 ラジオ・タクシー
●タクシー業
4440万ポンド
ロンドン
1953年に創業した、ロンドン最大のタクシー会社。2500台のタクシーを保有し、6000人の顧客を持つ。05年にはタクシー会社としては世界で初めてカーボンニュートラルを実現。バイオ燃料も採用。英国のエコビジネスに与えられる「グリーンアワード2007」の最優秀PRキャンペーン賞受賞。オンラインマーケティングを強化して、08年4月には紙使用量の20%削減も果たした。
081 ベーシック
●オーガニック総合スーパーマーケット
9300万ユーロ
ミュンヘン
ドイツ全土14都市24店舗、オーストリアに展開するオーガニックの大型スーパーマーケット。食品、化粧品など豊富な品揃えと、明るい店舗で人気を集めている。同社のプライベートブランド製品を1つ買うごとに1セントが、貧困のため温かい食べ物を十分に取ることが出来ない子供たちを援助するChildren for a better world(本部ミュンヘン)に寄付される。
082 ヴェルナー&メルツ
●家庭用洗剤
2億8400万ユーロ
マインツ
1986年に誕生したフロッシュ(カエル)ブランドは、洗剤からバス掃除アイテムまで網羅。環境に配慮した成分と、製造過程での効率的なエネルギー利用などで、パイオニア的な地位を確立しドイツ全土に浸透。07年にはリーダーズダイジェストの家庭クリーニング剤部門で「最も信頼の置けるブランド」に選ばれた。ドイツの環境NGOのNABUと、ライン川のカエル救済キャンペーンを実施。
083 ゲパ
●フェアトレード製品販売
5400万ユーロ
ブッパタール
35年間にわたって、社会・環境の持続可能な発展を軸に世界的に活動。現在、ヨーロッパ最大のフェアトレード組織に成長した。アフリカ、南アメリカ、アジア40カ国で150の企業との貿易ネットワークを持つ。株主はドイツ国内の教会関連組織で、売上は全てフェアトレードをレベルアップさせるために再投資するという「100%フェアトレード」を実現している。
084 ウンベルト・バンク
●金融
126億7400万ユーロ
ニュルンベルク
プロフェッショナルな銀行サービスの実現と環境・社会責任との両立を目的に、1990年代半ばに設立されたユニークな銀行。ドイツ国内7000の個人株主に支えられている。預金は全て環境に配慮し、持続可能性を重視した事業やプロジェクトにのみ融資される。固定費の高い支店窓口は持たず、電話やファックス、Eメールなどを通じて顧客・融資企業へ質の高いサービスを提供。
085 ケルヒャー
●業務用・家庭用洗浄機器
14億ユーロ
ビネンデン
世界190各国以上に進出、4万1000の販売店を持つ、業務及び家庭用洗浄機器メーカー。修理可能で再利用率が高い製品は、経済的で環境にも優しい。高圧洗浄機によって水使用量を最大80%減らすことを可能にした。またジェット作用だけで汚れを取り除き、洗剤を使わずに済む商品等も開発し、特許申請・販売商品・社員数、売上高とも、30年間右肩上がりの成長を達成。
086 タウトロッフェン
●自然化粧品
非公開
カルヴ-アルトブルグ
デメター認証のハーブや植物オイルを成分に、合成化学物質を一切使わずに製造される。その品質は、欧州のオーガニックの基準をも大きく上回るとして、世界から注目されている。原料調達を介した世界各地での環境・社会プロジェクトを展開。イランでは600農家と契約し、麻薬の代わりにバラ栽培を奨励するなど、現地の持続可能な発展に貢献している。
087 ヘスナトゥーア
●ファッション
4200万ユーロ
ブッツバッハ
1976年、人智学に造詣が深かったハインツ・へス氏が創業した独の代表的オーガニックファッションメーカー。著名デザイナーとのコラボレーションでニューヨークに進出するなど、近年は海外展開にも意欲的。美術館でしか目にすることの出来なかったドイツ・ヘッセン州産リネンを、バイオダイナミックリサーチ組織との協同で本社近くの土地で栽培。09年には30トンの収穫を達成し、見事再生させた。
088 ダイヒマン
●靴
非公開
エッセン
ドイツ国内に千以上の店舗、世界19カ国に進出する欧州最大の靴小売販売会社。「全ての企業は人間に奉仕すべき存在」というキリスト教に根ざした考えを信条とし、国内外で様々な社会的活動を展開。インドでは30年以上にもわたって、水道ラインの建設や栄養失調の乳幼児へのミルクの提供などの活動を続け、現在まで約10万人以上のインド人が支援を受けている。
089 ゲベコ
●旅行業
1億ユーロ
キール
30年間に渡り、観光客本位の没個性な観光でなく、世界各地の自然環境・人間・文化を最大限に尊重し、旅行者がそれらと直に触れ合える「体験」と「学び」を重視したサステイナブルな旅行ツアーを企画・実践。世界の全大陸で、その土地の魅力を深く味わえるハイキング・自転車旅行のパッケージツアーが特に人気。独大手旅行会社TUIのメンバー。
090 サルス
●ハーブ系飲料など
1億ユーロ
ブルックミュール
1916年創業のハーブ系飲料、サプリメント、化粧品メーカー。日本を含む世界40カ国以上に展開。本社敷地内のソーラーパネルや川を利用した水力発電で、製造に必要なエネルギーを賄う。毎週金曜日はベジタリアンメニューの揃った食堂で社員に無料ビュッフェを振る舞う。地域の植生を再現したビオトープをつくり、住民らに開放するなどの活動も好評だ。
091 オリジナルフード
●コーヒーなど
3万2000ユーロ
フライブルク
発展途上国からの高品質輸入生産物を、グルメプロダクトとして欧州向けにマーケティング・販売。エチオピアの生態系保護のため、ドイツの環境NGOであるNABUと組んで売り上げの一部を同NGOに寄付できる仕組みをつくるなど、常に環境・社会課題の解決につながる製品マーケティングを行うことで名高い。
092 フンメル・エネルギー・システム
●エネルギー
21万ユーロ
ノイス
2007年創業で、オランダのバイオ燃料会社Argosグループとのジョイントベンチャー企業。ドイツ国内で、植物資源などの再生可能エネルギーを利用した、大型発電所に代わる「分散型CHP(熱電併給)システム」を展開している。アジアやアフリカへの進出も視野に入れる。
093 ヴェレダ
●自然化粧品
3億5200万スイスフラン
アーレスハイム
自然化粧品メーカーのパイオニア。人智学「人と自然との調和」の理念で、1922年から「品質第一」をモットーに製造を続ける。1993年より世界展開を本格化させ、レパートリーの広い製品を展開している。環境に配慮して、製品輸出はほとんどを船便にしている。本社見学ツアー(2時間半、1人5フラン)では、オーガニック建築の社屋で製造過程が垣間見られる。
094 SAMグループ
●企業調査
103億ユーロ(09年末の運用資産額)
チューリヒ
持続可能性の観点からの投資活動をする世界初の資産運用会社として1995年に設立。顧客は企業(財団、保険会社、銀行、年金基金)と個人。年間1200社以上を調査しサステナビリティーに関して世界最大のデータを持つ。09年7月より欧州有数の資産運用会社ロベコ(オランダ)のクリーンテクノロジーファンド部門と共同し、注目のクリーンテクノロジー企業への投資を強化。
095 コープ
●スーパーマーケット
181億スイスフラン
バーゼル
スイス第2の小売業。同国の有機食品市場の50%以上を取り扱う先導的な存在。「有機食品が充実しているからコープに買物に行く」という人も多い。衣類、洗剤などの有機製品も扱う。独自の8つのオーガニック・フェアトレード製品ラベルを企画。有機の野菜・果物・肉・卵に付くラベル「ナトュールプラン」は、09年は前年比5.2 %増の7億2600万スイスフランの売上を記録した。
096 コル・パート
●バッグ製造販売
60万スイスフラン
ローザンヌ
カンボジアの米袋とベトナムの魚の袋を用いたバッグや買物カート、財布などの小物を販売。在スイスの元ジュエリーデザイナーが、カンボジア滞在を契機に2003年に起業。製造はカンボジアの2つのNGOが担う。06年には、フェアな事業を行う企業・個人への賞「倫理的なスイス」を受賞。現在は200店と提携し、年間2万5千点以上を販売している。日本でも、ランパス(本社東京都千代田区)で今年2月から取扱いが始まった。
097 トリオドスバンク
●金融サービス
7300万ユーロ
ゼイスト
有機農業やグリーン建築、自然エネルギーといった環境に配慮し、かつ社会性の高い事業に限定融資するソーシャルバンク。1981年設立。オランダや英国など5カ国で事業展開する。顧客数は24万2千人、9500以上のプロジェクトに融資している。昨年、英フィナンシャルタイムズ紙と国際金融公社共催のサステナブルな銀行賞で「サステナブル・バンク・オブ・ザ・イヤー」部門を受賞。
098 MPSファウンデーション
●花き産業の環境認証プログラム
610万ユーロ
ホンセラーダイスク
1995年にオランダで生まれた花の環境認証プログラム。生産者と流通業者による減農薬・減肥料・減エネルギーへの総合的な取り組みを100点満点でABC評価して認証する。現在は野菜への認証も行い、世界50カ国以上で同プログラムが展開されている。日本では2006年にスタート。今年から野菜の認証も始まる。
099 オンテックス
●使い切りおむつ、生理用ナプキンなど
11億ユーロ
ゼーレ
「環境にやさしいおむつ」の代名詞として欧米で知られるモルテックス(MOLTEX)ブランドを持つ衛生用品メーカー。東欧や中国にも進出している。モルテックスは、塩素漂白されていないセルロース100%素材の使い切りおむつ。おむつ本体の生分解素材の使用比率を徐々に引き上げたり、パッケージに生分解プラスチックを使用するなど、使い切り紙おむつの世界でも環境に配慮する。
100 アルモール・リュックス
●衣料品
7200万ユーロ
カンペール
1938年創業。マリンウエアを中心に年間450万枚を販売。国鉄や郵便局のユニホームも手掛ける。フランスで初めてフェアトレードコットン(マリ、カメルーン産など)を使用し、05年から販売開始。昨年にフランスの有機認証エコサートを取得。今年1月には、米高級百貨店ブルーミングデールズでの販売も始まった。各地の音楽、スポーツ、文化事業に助成金を支給。海を守る団体も支援している。