レスター・R・ブラウン さま
アースポリシー(地球政策研究所)研究所長
『オルタナティブ』とは、全く私の考え方そのものです。旧態依然のビジネス方式では、我々に未来はありません。これは疑いようのない真実です。
我々が挑戦すべきは、一刻も早く世界のエネルギー構造を再構築し、気候を安定化させ文明を守りきるということです。環境保護専門家として何十年も話をしてきましたが、実際、地球は生き残るのです。
問題は、文明が生き残るかどうか。この蓄積されつつある負荷に文明が耐えうることができるかどうか、なのです。
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野田一夫 さま
財団法人日本総合研究所会長、多摩大学初代学長
幕開けから各国の思慮ある人々の心に「9.11事件」の一撃が加えられた21世紀だったが、10年近くを経てその衝撃はとうに過去のものとなった今でも、「新世紀」という明るい雰囲気は依然として世界的にみなぎっていない。
何故なのか。おそらく決定的な理由の一つは、先進国を追って新興諸国も逞しい工業化を続々成功させ、経済を急拡大しつつあることにも起因する自然環境の地球的異変に対し、世界の思慮ある人々の心の底には言い知れぬ不安が高まっているからに違いない。
人類の智恵と協力は、果たしてこの言い知れぬ不安をやがて解消してくれるのだろうか。
『オルタナ』はそうした人類の知恵と協力の成果とその可能性を巧みに伝えることにより、読者である思慮ある日本人に対し、明日への希望と勇気を与えてくれる。
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山本良一 さま
東京大学名誉教授、国際グリーン購入ネットワーク会長
今年も東京ビックサイトのエコプロダクツ展には750社・団体の出展者と18万人を超える来場者が結集した。日本においても環境的に持続可能な経済成長(グリーン成長)を目指す社会的潮流は確実なものになりつつあると思う。しかし我々はまだ「エコ文明への大転換」のほんの入口にいるに過ぎない。
「工業文明」はルネッサンス、人文主義、啓蒙主義、百科全書派の誕生、産業革命を経ながら今や頂点に達したが、同時に地球規模の荒廃状態を招いてしまった。「工業文明」は明らかに持続可能ではなく、我々は一刻も早く「エコ文明(生態文明、環境文明も同じ意味)」へ転換しなければならない。
エコロジー神学者のトマス・ベリーは「宇宙とは主体たる万物が共有するものであり、単なる物の集まりではないことを認識しなくてはならない。地球が荒廃状態にあるのは、人間がそうした認識で非人間的世界に向き合うことが出来なくなり、非人間的世界との相互関係を維持できなくなったことが直接の原因である」と分析している。(「パクス・ガイア」トマス・ベリー著、浅田仁子訳、日本教文社・2010年)
トマス・ベリーは現代を生きる我々の使命はエコ文明への転換を成し遂げることであるという。文明転換には1~2世紀を必要とするであろうが我々はその途上にいることは間違いない。オルタナはエコ百科全書派として環境産業革命の全貌と新たな魅力に満ちたエコロジカルライフを是非社会に伝えていただきたい。森編集長には百科全書派のディドロの役割を担っていただきたい。