記事のポイント
- 欧州委員会は気候対策に優れた10都市に「EUミッションラベル」を授与した
- 「2030年気候中立」へのビジョンや行動計画、投資戦略を評価した
- マドリードやバレンシアなど、スペインから5つの都市が受賞した
欧州委員会はこのほど、2030年の気候中立達成に向けて優れた取り組みを行う10都市に、「EUミッションラベル」を授与した。「EUミッションラベル」は気候中立に向けた全体ビジョンや行動計画、投資戦略などが優れたモデル都市に与えられる。マドリードやバレンシアなど、10都市のうち5都市がスペインから選ばれた。(オルタナ編集部・北村佳代子)

欧州委員会は、欧州投資銀行(EIB)や共同研究センター(JRC)などの専門家の支援の下で、気候中立達成に向けて優れた計画を推進する自治体を審査・評価し、「EUミッションラベル」の授与で表彰した。
「EUミッションラベル」は、汚染物質を排出しないスマートシティを目指す各都市の努力に対する、EUからの「お墨付き」だ。
欧州委員会は、声明の中で、「これら10都市は、他の都市が公正でグリーンかつデジタルな移行を進めるための道を拓いている」とし、「地方レベルでの包括的な政策の共創の模範を示す」と称えた。
受賞都市は今後、気候変動に関する目標達成に向けて、公的資金や民間資金へのアクセスが容易になる。
■各都市の「気候都市契約」を評価
評価のベースとなったのは、各都市が2023年3月に提出した「気候都市契約」だ。この「気候都市契約」は、各自治体が、2030年までに気候中立都市となるための行動・投資計画で、民間セクターや市民を含む地域のステークホルダーと共同作成したものだ。
EUは、「EUミッションラベル」に選ばれなかった都市も、提出した「気候都市契約」に基づいて、気候対策に向けた支援やフィードバックを行う。
■「EUミッションラベル」10都市の半数がスペイン
欧州委員会は、全112自治体の中から、以下の10自治体に「EUミッションラベル」を授与した。
「EUミッションラベル」受賞の10自治体:
スナボー(デンマーク)、マンハイム(ドイツ)、マドリード(スペイン)、バレンシア(スペイン)、バリャドリッド(スペイン)、ビトリア・ガステイス(スペイン)、サラゴサ(スペイン)、クラーゲンフルト(オーストリア)、クルージュ・ナポカ(ルーマニア)、ストックホルム(スウェーデン)
例えばストックホルムは、大気汚染や排出ガスの削減に向けて、2024年12月31日以降、市街地でのガソリン車とディーゼル車の乗り入れを禁止する。
スペインからは半数となる5自治体が選ばれた。
■スペイン政府からの全面的な支援が5都市の受賞に
■バレンシア(スペイン)は「欧州グリーン首都2024」にも選定
■マドリード(スペイン)は欧州最大のゼロ・エミッション都市開発地域を創設