ドミノ・ピザ、脱炭素デリバリーの「未来形」は自転車に

記事のポイント


  1. ドミノ・ピザが、次世代デリバリー用自転車のコンセプトモデルを公開した
  2. 電動アシスト機能や、デリバリー中の鮮度を保つピザポッドを搭載する
  3. 配達車両のEモビリティ化を温室効果ガス「スコープ1」削減の柱に

ドミノ・ピザは11月16日、デリバリーに使う電動アシスト自転車のコンセプトモデル「フューチャーバイクdxb」を公開した。燃料が不要で脱炭素に貢献するとともに、内部を68℃に保つピザポッドなど、デリバリー中のピザの品質を保つ機能を搭載した。ドミノ・ピザは7月に「SBTネットゼロ認定」を取得し、温室効果ガスの「スコープ1️」における削減の柱にEモビリティの普及を掲げている。(オルタナ副編集長・長濱慎)

「dxb」とムリナル・シンハCMO。11月16日、都内の発表会で

「フューチャーバイクdxb」(デリバリー・クロスオーバー・バイク)は、ドミノ・ピザがデリバリー用に開発した電動アシスト自転車のコンセプトモデルだ。

トランクのピザポッドには内部を68℃に保つ温度調整機能と換気システム、衝撃を67%吸収するサスペンション搭載し、デリバリー中にピザが冷めたり形が崩れたりるのを防ぐ。走行時は車輪のライトが光ることで、歩行者の安全に配慮する。

ドミノ・ピザは今年7月、フードデリバリー業界ではじめて国際的な脱炭素の認定機関SBTiの「ネットゼロ認定」を取得した。2050年までに温室効果ガス排出量のネットゼロを目指す。

サステナX

同社のグローバルにおける排出量の97%は、酪農などによる「スコープ3」(サプライチェーン全体からの間接的な排出)だ。店舗から排出される「スコープ1」(自社からの直接的な排出)は1%に過ぎないが、その大半を占めるデリバリー車両の電動化(EバイクやEスクーター)を進めている。

日本国内では30%以上が電動化されており、2030年までに100%普及の目標を掲げている。今回新たに自転車という選択肢が加わったことについて、ドミノ・ピザジャパンのムリナル・シンハCMOはこう話す。

「自転車は都市部の狭い道も安全に走れて、低コストで運用でき、CO2を出さない。さらに、走行音が静かで近隣の良きパートナーになることができ、免許不要で運転できる。dxbはデリバリーの未来に欠かせない存在になる」

「dxb」はコンセプトモデルであり量産や導入の時期は未定だが、今後テスト走行を通して改良を重ね、日本のみならず海外でも展開する意向だ。

S.Nagahama

長濱 慎(オルタナ副編集長)

都市ガス業界のPR誌で約10年、メイン記者として活動。2022年オルタナ編集部に。環境、エネルギー、人権、SDGsなど、取材ジャンルを広げてサステナブルな社会の実現に向けた情報発信を行う。プライベートでは日本の刑事司法に関心を持ち、冤罪事件の支援活動に取り組む。

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キーワード: #脱炭素

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