記事のポイント
- フランスで34歳の歴代最年少の首相が誕生した
- 任命は欧州議会選挙で極右政党に対抗するためでもある
- ゲイであることを公表する首相をLGBTQ団体は歓迎している
34歳のガブリエル・アタル氏が1月9日、歴代最年少の仏首相に就任した。現地メディアは若い首相を据えることで、マクロン仏大統領が勢力挽回を図ったと見ている。同氏はゲイであることを公表し、LGBTQ団体はフランス初のゲイの首相の誕生を歓迎している。(在パリ編集委員・羽生のり子)

ガブリエル・アタル首相はパリの裕福な家庭に生まれ、高校まで有名な私立の名門校「エコール・アルザシエンヌ」で学んだ。パリ政治学院を卒業し、2012-2017年、オランド政権下で保健大臣官房に務めた。
10年間社会党員だったが、2016年にマクロン氏が創立した政党「前進!」に加わり、2017年に国民議会(下院)議員に初当選した。その後29歳で歴代最年少の閣僚となり、2023年7月から首相になる直前まで教育相を務めた。
国民議会議員になりたての頃、政治経験のない与党の新米議員たちを尻目に弁舌をふるい注目を浴びたという。マクロン大統領の忠実な側近で、2027年の仏大統領選でマクロン氏の後継者として立候補する可能性がある。
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