記事のポイント
- ようちえん絵本大賞に「LGBTQ」を取り上げた絵本が選ばれた
- 7500の私立幼稚園による全国団体が子どもに読み聞かせたい本を選ぶ
- 「今の時代に求められる絵本」として紹介した
15回目を迎える「ようちえん絵本大賞」にLGBTQを取り上げた絵本が選ばれた。7500の私立幼稚園による全国団体、全日本私立幼稚園幼児教育研究機構(東京・千代田)が子どもに読み聞かせたい本を選ぶ。「今の時代に求められる絵本」として紹介した。(オルタナ編集部・下村つぐみ)

全日本私立幼稚園幼児教育研究機構は、重要な乳幼児期の子どもの育ちを支えるため、幼稚園・こども園の教職員の研修や保育に関わる調査・研究を行う。
「ようちえん絵本大賞」は親子で絵本に親しむ時間を大切にしてもらうため、2009年から始まった。
「子どもに読み聞かせたい絵本」、「お父さん・お母さんに読んでほしい・お勧めしたい絵本」、「まだ多くには知られていない素晴らしい絵本」を選考の基準として、過去8年以内に出版された絵本の中から大賞を選ぶ。
今年は15作品が大賞に選ばれ、そのうちの1つが「LGBTQ」テーマの絵本『だがし屋のおっちゃんは おばちゃんなのか?』(汐文社)だった。
この絵本は、男性だと思い接してきた、だがし屋の主人が、ある日「ハルコ」と呼ばれる様子を子どもたちが目撃し、真相を尋ねるといったお話だ。だがし屋の主人は実は女性で、男性の心を持って生まれてきたことを取り上げている。
作者は、多屋光孫氏だ。多屋氏は、これまでにも障がいのある子どもが楽しめる作品に推薦されるなど、多様性ある世の中の大切さを伝える作品を中心に手掛けてきた。
同団体の調査広報委員会は、これまで絵本でほとんど取り上げられなかったLGBTQのテーマを真正面から取り上げた、今の時代に必要な作品として紹介している。