記事のポイント
- 国際プラ条約の第4回政府間交渉委員会がカナダ・オタワで開かれた
- プラの一律削減に対して、日本政府は反対の立場を取った
- プラ条約は2024年末までの合意を目指すが、意見の隔たりは大きい

プラスチック汚染の根絶を目指す「国際プラスチック条約」の第4回政府間交渉委員会(INC4)がカナダ・オタワで開かれ、4月30日に閉幕した。焦点の一つ、プラの一律削減に対して、日本政府は反対の立場を取った。(オルタナ副編集長=吉田広子)
2022年3月に開かれた国連環境総会で、法的拘束力のある「国際プラスチック条約」を採択することが決まった。2024年末までに政府間交渉委員会を5回開催し、条約の制定を目指す。
その4回目となる政府間交渉委員会(INC4)が4月23日から4月29日まで、カナダ・オタワで開かれた。
現地でオブザーバー参加した国際NGOのWWF(世界自然保護基金)ジャパン(東京・港)と、グリーンピース・ジャパン(東京・港)の報告によると、プラスチックの生産制限を巡って、各国の意見の隔たりは埋まらなかったようだ。
欧州連合(EU)やフィリピンなどが、バージンプラスチック(一次プラスチックポリマー)の生産・流通の一律削減を主張した一方で、中東諸国や中国が反対した。
日本政府は、プラ生産の一律削減には反対の立場を取り、使い捨てプラの削減やエコデザイン、リサイクルによって削減すべきだと主張したという。
小池宏隆・グリーンピース・ジャパンシニア政策渉外担当は、「イタリアで開かれたG7環境気候エネルギー大臣会合では、日本も含めた各国が、一次プラスチックポリマーの世界的な生産と消費を削減し、場合によっては抑制することを目指すことに合意した。しかしINC4では、これと一致するような声は日本政府から出なかった」と指摘した。
第5回政府間交渉委員会(INC5)は、11月から12月にかけて韓国・釜山で開く。その前に、条約原案の意見集約を進める場として、会合間作業がタイ・バンコクで8月後半に開催される予定だ。