総合グランプリの環境大臣賞には、北海道の苫東・和みの森運営協議会の「和みの森×銭湯 ありがとうチケットプロジェクト」が選ばれた。植樹地の管理をしながら、間伐した木で薪を作り、それを燃料として地域の銭湯に無料で提供する。そのお礼として、森づくりの参加者に公園湯の無料入浴券を配る仕組みだ。
表彰された団体の子どもたちは「ESD広報大使」に任命され、「ESDに関するユネスコ世界会議」のプレ・イベントとして、3月下旬頃に開催地の愛知県と岡山県を応援訪問する。

開会には北川知克環境副大臣が登壇し、「子どもたちの率直で素直な視点は、企業やNPOの活動のチャンスやヒントにつながる。これからの国際社会の未来の為に必要なキーワードは、認め合うこと、思いやること、そして分かち合うこと。11月の「ESDに関するユネスコ世界会議」に向けて、盛り上げていきたい」と話した。
審査の間にはタレントで東京海洋大学客員准教授のさかなクンと子どもたちが「ESDこども会議」を開催。メッセージを作成し、世界会議に向けた「ESDこども宣言」を発信した。
ESDこども宣言
「ぼくたち、わたしたちは、やります。もっと楽しい、笑顔いっぱいのESD!
大人のみなさん、国際会議を成功させてください」

部門賞の地域貢献賞は「滋賀・琵琶湖の伝統食作り」を発表した滋賀県のびわ湖エコアイディア倶楽部アイキッズ~エコアイディアキッズびわ湖~、アイデア賞は、唯一国際協力の発表となった「NPOと協働で創る国際理解・平和・環境学習~モザンビーク共和国との交流を核にして~」を発表した愛媛県の松山市立新玉(あらたま)小学校が、それぞれ受賞した。

総評で阿部治審査委員長(立教大学教授、認定NPO法人ESD-J代表)は「今日、発表してくれた子どもたち全員がESD大使」とし、セヴァン・スズキの伝説の演説を引用しながら「人と自然、世代の関係が絶たれようとしている、今のままでは未来はない。では、どういうつながりなら未来はあるのか、考え、行動することが大事」と、今の活動を継続していく大切さを強調した。
牧原秀樹環境大臣政務官は「通常、大使というと60歳くらいのおじさんだが、ESD広報大使となったみなさんに頑張ってほしい」と子どもたちへ期待を寄せた。
発表者全員の記念撮影では大勢カメラを向けている中から、公式カメラマンが「本物はこっち」と言って会場を笑わせ、シャッターがきられる度に子どもたちも「ESD!」、「ギョ、ギョ、ギョー」と叫び、明るく楽しい雰囲気の中で閉会した。