キユーピーと味の素が協働、マヨネーズボトルの再資源化へ

記事のポイント


  1. キユーピーと味の素はマヨネーズボトルの再資源化に向け協働した
  2. 7月1日から1年間、イトーヨーカドー溝ノ口店に回収ボックスを設置する
  3. 資源循環に向けて、競合同士が手を組んだ

キユーピーと味の素は6月20日、マヨネーズボトルの再資源化に向け協働すると発表した。7月1日から1年間、イトーヨーカドー溝ノ口店(川崎市)に回収ボックスを設置する。両社は競合関係にあるが、資源循環の仕組みの確立化を目指すため、手を組んだ。(オルタナ総研フェロー=室井 孝之)

水平リサイクルの流れ

国内のマヨネーズボトルには、主にポリエチレン(以下 PE)というプラスチック素材が使用されている。PE は食品包装に多く使用されているが、素材の種類や他素材と複合しているものが多く、飲料 PET ボトルに代表されるような「水平リサイクル」の仕組みが社会的に実装されていない。

「水平リサイクル」とは、使用済み商品の容器・包装を回収し、再び同じ種類の容器・包装を製造することだ。

両社の実証実験では、使用済みマヨネーズボトルを回収し、回収状態・品質・量などを確認した上で、資源循環の実現に向けた技術検証を行う。

地域住民に、ごみではなく「資源」を持ち込むという意識変容を促し、品質の高い資源の回収に向けた検証も併せて行う。

両社の取り組みは、海洋プラスチックごみの問題解決に向けた、企業アライアンス「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)」から生まれた。2024年6月現在、会員505社・団体、オブザーバー24団体・自治体が参加している。

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室井 孝之 (オルタナ総研フェロー)

42年勤務したアミノ酸・食品メーカーでは、CSR・人事・労務・総務・監査・物流・広報・法人運営などに従事。CSRでは、組織浸透、DJSIなどのESG投資指標や東北復興応援を担当した。2014年、日本食品業界初のダウ・ジョーンズ・ワールド・インデックス選定時にはプロジェクト・リーダーを務めた。2017年12月から現職。オルタナ総研では、サステナビリティ全般のコンサルティングを担当。オルタナ・オンラインへの提稿にも努めている。執筆記事一覧

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キーワード: #脱炭素

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