林野庁は3月29日に「森林の生物多様性を高めるための林業経営の指針」をまとめて、生物多様性を高めるための森林管理のあり方を示した。(オルタナ編集部・萩原 哲郎)
指針は、生物多様性保全が林業経営の新たな収益機会になるとする。具体的には、J-クレジットの創出やTNFDに取り組む企業との連携などによって民間企業や金融セクターから森林整備に対する投資や資金協力が得られやすくなることなどを示す。
その一方で、私有林が小規模分散的であるため面的広がりのなかでの多様な森林配置が難しいことや、森林の機能を維持するために必要な施業が行われていないこと、森林への働きかけの縮小など管理面での課題がある。
そこで指針では既存の法令に基づく基準やルールの遵守のほか、多種多様な森林の配置や、きめ細かな施業、循環利用システムの確立などの必要性を訴える。