AI時代に必要な「手のぬくもり」(田口ランディ)

友人の植物療法士・池田明子さん(ソフィアフィトセラピーカレッジ校長)が「ハンドマッサージは眠くなる」と言う。不眠症気味の私は迷わず彼女の「ハンドケアマッサージ講座」を受講した。確かに眠くなる。しかも、マッサージを受けるより施術するほうが眠くなる。

「それはね、施術する側により多くオキシトシンという脳内物質が出るからなの」

オキシトシンは愛情ホルモン、幸せホルモンの異名を持ち、人が不安や恐怖を感じた時にも分泌される。また、絆ホルモンとも呼ばれて、人と人との絆を深める効果もあるそうだ。

戦争や紛争が続き殺伐とした世相のなか、絆ホルモンを求める人が増えたのだろうか。講座はたいへん盛況だ。最近は男性の受講者も増えたと言う。

面白い話を聞いた。受講した男性から、ハンドケアを社員研修に取り入れたいというオファーが来たそうだ。

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田口 ランディ(作家)

作家 東京生まれ。 近刊は地下鉄サリン事件実行犯で昨年に死刑執行された林泰男との14年間の文通・交流をもとに描いた私小説「逆さに吊るされた男」(河出書房新社)

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キーワード: #CSR

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