「エシカルじゃないと買わない」 10代の3割近くに

記事のポイント


  1. エシカル消費に詳しい研究者が日本初のエシカル市場規模調査を行った
  2. それによると15%以上が「エシカルでないと買わない」ことが明らかに
  3. 特に10~20代に顕著で、「ボイコット」がさらに広がる可能性もある

エシカル市場規模調査実行委員会はこのほど、日本初のエシカル市場規模調査を行った。その結果、日本人の6人に1人が非エシカルな商品の購入を控えていたことが明らかになった。年代別で見ると、10代(15~19歳)が28.2%、20代が17.3%と若い層にその傾向が多かった。(オルタナ副編集長=池田 真隆)

今回の調査は、東京経済大学の渡辺龍也・名誉教授と法政大学大学院の柿野成美・准教授らエシカル消費に詳しい研究者たちが行った。日本全国の15歳から79歳の男女1865人を対象に、2024年8月26日から27日にかけてインターネット上でアンケートを集めた。

「エシカル消費」の世界共通の定義はないため、英国が1999年から行う調査項目を参考にして、日本のエシカル市場規模を推計した。英国の調査項目をベースに市場規模を明らかにしたのは、日本初だ。

調査の結果、日本のエシカル市場規模は約8兆円(2022年)に及ぶことが分かった。同年の英国の市場が22兆円なので、およそ3分の1だった。

エシカル消費を8分野に分けて推計した

日本のボイコット、年間1000億円近くに

今回の調査では、エシカル消費を8分野に分けた。その内の一つに、非エシカルな商品の購入を控える「ボイコット」も入れた。

アンケートで「ボイコット」をしたことがあると回答した人は15.7%だった。その内、55%は年5000円未満のボイコットだった。

この回答結果を15歳から79歳までの日本の人口に当てはめると総ボイコット額は年間920億円となり、消費者の6人に1人が年1000億円近いボイコットを行っていたことが明らかになった。

ボイコットの対象製品で多かったのが、プラスチック製品だった。「環境汚染を抑えるために購入を控えた」と答えた人は回答者全体の30.3%に上った。

東京経済大学の渡辺・名誉教授は、「今回の調査ではボイコットしたことがある人が15.7%と予想以上に多く、さらに年代別では10代(15~19歳)が28.2%、20代が17.3%と若い層で多くなっていた。日本でも今後ボイコットが広がっていくことが予想できる」と話した。

M.Ikeda

池田 真隆 (オルタナ輪番編集長)

株式会社オルタナ取締役、オルタナ輪番編集長 1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。 環境省「中小企業の環境経営のあり方検討会」委員、農林水産省「2027年国際園芸博覧会政府出展検討会」委員、「エコアクション21」オブザイヤー審査員、社会福祉HERO’S TOKYO 最終審査員、Jリーグ「シャレン!」審査委員など。

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キーワード: #エシカル消費

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